こちらのコラムでは、無料で使える情報共有のためのビジネスノートツール「welog(ウィーログ)」の運営スタッフが、ビジネスにおける情報共有やナレッジマネジメントについて発信しています。少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
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感染症の流行や働き方改革の推進を背景にテレワークが普及し、社内でのコミュニケーションのあり方が見直されています。それに伴って、近年は気軽にコミュニケーションが取れるチャットツールが注目を集めているため、自社に適したチャットツールを導入したいと考えるビジネスパーソンもいるのではないでしょうか。
そこで今回は、Slackの特徴やメリット・デメリット、料金プランやSlackの使い方などをわかりやすく解説します。
※この記事は2023年5月30日時点の情報を基に作成しています。最新の情報は、Slackの公式サイトをご確認ください。
Slackとは、アメリカの「Slack Technology社」が開発した、ビジネス向けのチャットツールです。Slackは、アプリ・ブラウザのどちらからでも使用できるマルチデバイス対応のツールで、IT企業を中心に、世界中の企業で利用されています。
Slackを使えば、効率的なコミュニケーションによって柔軟で多様な働き方が実現できます。一方で、チャットツールには、他にも「LINE(ライン)」やMicrosoft社が開発した「Teams」などさまざまな競合ツールがあり、導入ツールを悩むケースもあるでしょう。まずは、Slackの導入を検討している方に向けて、Slackの特徴を解説します。
まずは、Slackの主な便利機能について見ていきましょう。
Slackの代表的な機能が、自然な会話形式で仕事のやりとりを進めることができるチャット機能です。
Slackでは、ほとんどのチャットが、チャンネル(会話などを整理できる専用の場所)で行われます。パブリック(組織内の全ユーザーが利用可能)またはプライベート(招待ユーザーのみ利用可能)でチャンネルを設定することができ、必要に応じて個人間でのやり取りにはダイレクトメッセージも使えます。個人でもチーム全体でも簡単にやりとりができるほか、有料のSlack プランを利用している場合、「Slackコネクト」を使用して、クライアントなど外部パートナーとチャンネルを共有することも可能です。
メッセージは、タイムライン(時系列)で整理されその場ですぐ送信できるだけでなく、投稿日時を指定し、「予約投稿」することもできます。また、「メンション」機能を使い、特定の相手にメッセージを送ることも可能です。
Slackには、ハドルミーティングと呼ばれる、ビデオ通話機能もあります。この機能を使えば、チームでリアルタイムに仕事に取り組めるでしょう。
ハドルミーティングは、チャンネルやダイレクトメッセージ(DM)からすぐに開始できます。「ビデオ」「複数人での画面共有」「スレッド」「絵文字リアクション」などの機能を使うことができ、活発なコミュニケーションが実現可能です。
また、ハドルミーティング中に共有したリンクやドキュメント、メッセージは自動的に保存されるため、ハドルミーティングが終了した後も参照できます。
Slackは、パソコンやスマホに保存しているファイルだけでなく、Google Drive・OneDriveといったクラウドストレージサービスに保存している文書・写真などのファイルも共有できます。ウィンドウやタブを切り替えることなく必要な情報を、会話の中で簡単に共有・管理することが可能です。
また、ファイルを「アップロード」や「ダウンロード」したり、「プレビュー」で確認したりすることもできます。さらに、Slackはセキュリティが強固でファイルを安全に保管できるほか、利用中のデバイスからいつでも確認可能です。
Slackは、知りたい情報を見つける際に役立つ検索機能も備えています。必要な情報をより簡単に探し出すためには、検索タイプや検索フィルターで絞り込むのがおすすめです。
検索タイプには、「メッセージ」「ファイル」「チャンネル」「メンバーディレクトリ」の4つのタイプがあり、以下のように検索結果が表示されます。
メッセージ:検索クエリの単語が含まれるメッセージが表示される
ファイル:キーワードがタイトルの一部または文書内のどこかに使われているファイルが表示される
チャンネル:チャンネル名のほか、チャンネルの内容説明や話題も表示される
メンバーディレクトリ:一致する名前のほか、誰かのプロフィールに記載された情報も検索される
また、検索タイプで内容を絞っても検索結果が膨大でなかなか欲しい情報が探し出せない場合、以下のように、検索フィルターでさらに条件を絞り込むこともできます。
・発言した人の名前
・可能性のあるチャンネル
・共有された時期
・ファイルの種類(PDF・メール・スプレッドシート・画像など)
Slackには、各メンバーが自由にクリップの作成や視聴を行える、クリップ機能もあります。音声や動画などをSlackで投稿・共有すれば、チームメンバーはいつでも好きな時間に音声などを確認することができて便利です。
会社や出先など、どこからでも視聴でき、再生速度の調整や字幕の表示、文字起こしなども行えます。
主な機能がわかったところで、ここからは、Slackの各プランの料金や主な機能・サービスを見ていきましょう。Slackは、無料で利用できる「フリープラン」と「有料プラン」があります。プランにより料金や機能面などが異なるため、各プランを比較する際の参考にしてください。
Slackには、無料プランであり、手軽に試せる「フリープラン」があります。しかし、メッセージ履歴に90日しかアクセスできない、音声とビデオ通話ができるのは1対1のみであるなど、有料プランに比べて機能・サービス面が劣るでしょう。ビジネスで使いたい場合は、有料プランを選ぶのがおすすめです。中小規模の組織におすすめな「プロプラン」や大企業におすすめな「ビジネスプラス」、厳しい規制や要件のある大企業におすすめな「Enterprise Grid」があるので、自社の求める機能やサービスを備えたプランを選ぶとよいでしょう。
「Slack」の料金詳細はこちら
ここからは、Slackを導入するとどのようなメリットがあるのかを解説します。
Slackを使うメリットは、チャンネル内に作業を集約できる点です。Slackは、コミュニケーション・進捗管理・ファイル共有・Web会議といった機能を併せ持つため、複数の作業を一箇所に集約できます。そのため、複数のツールを立ち上げたり切り替えたりといった手間が発生しません。
プロジェクトやチームごとに専用チャンネルを作りSlackに案件を集約させることで、意思決定のスピードも上がり、スムーズに仕事が行えるようになるでしょう。
Slackは、後からチャンネルに追加された人でも、過去のやりとりを確認することができます。途中追加したメンバーでも過去の履歴を参照できるほか、見逃したチャットを後から見返すことも可能です。
Slackは、カスタマイズ性に優れていることもメリットの一つです。例えば、チャンネルごとに通知設定を行える機能があります。この機能を使えば、関心を持っているトピックについて他の人がメンションするたびに通知が届く設定にしたり、重要なチャンネルの全てのメッセージの通知をオンにしたりといったことも可能です。
また、Slackで使える「絵文字」をカスタマイズすることもできます。さらに、有料プランの場合、自分が見やすいようにチャンネルやDMなどを整理できるサイドバーのカスタムセクション(作成できるのはデスクトップ版のみ)を使用することも可能です。
連携できるツールが充実していることも、Slackのメリットです。例えば、「Google Drive」や「OneDrive」、「Zoom」や「Trello」など、あらゆるタイプのサービスに対応しています。
ツールが多くなるとウィンドウとタブが増えてその切替に時間や手間がかかりますが、Slackであれば、既存のツールとワークフローをSlack内に集約でき、業務が効率化するでしょう。
Slackでは、Slackと生成AIを融合させた、「SlackGPT」の提供も発表されています。SlackGPTでは、企業自身が保有する内部知識やデータに基づき、 AIが動作します。SlackGPTを使えば、「Slackのチャンネルやスレッドの会話内容を要約する」「適切な文章を書けるようにメッセージの下書きを微調整する」といった支援機能が使用可能です。
また、Salesforceの「Customer 360」、「Data Cloud」といったCRMツールやデータプラットフォームと連携することによって、顧客のインサイトを明らかにすることもできます。このようにAIを積極的に機能の一部として取り入れていることから、Slackでは今後ますますAIとの融合や活用が期待できるでしょう。
Slackには多くのメリットがある一方、デメリットも少なからずあります。Slackのデメリットは以下の通りです。
・チャット内で重要な会話やファイルなどが流れてしまい、必要な情報を探し出すのが大変である
・Slackのフリープランでは、メンバーとのやりとり(メッセージ履歴)が90日経過すると閲覧できなくなるため、情報がストックされない
・ITリテラシーのない人には使いにくい
このように、Slackには検索機能があるものの会話がチャット内で流れやすいため、後から必要な情報を見つけ出すのは困難です。また、Slackは、日本での利用者数が多いチャットツール「LINE」と比べて多機能な分、画面構成が複雑であるため、使用ハードルが高いと感じるかもしれません。
ITリテラシーのない従業員には、チャンネルやスレッド、DMの意味や違いなどもわかりにくく、使いこなせるまでに時間がかかるでしょう。
Slackのデメリットを解消しつつ、情報共有を円滑化できるツールとしておすすめなのが、ドキュメントツール「welog」です。welogは、作成者や作成日などで絞り込む「高度な検索機能」を備えており、検索時にファイルの中身までプレビューで確認できます。直感的に操作しやすいUIで、ITリテラシーがない人でも、簡単に操作できることが特徴です。Slackでフローの情報をやり取りして日々の業務を進行させながら、重要度や再利用する可能性が高いストック情報をwelogに集約することで、双方のツールの強みを生かした情報共有が可能になります。
また、welogは、Slackとの連携機能も備えています。使用しているSlackのチャンネルにwelogのノートを簡単に送信したり、Slack上の投稿をノートに保存したりできます。さらに、「同時編集機能」や「タスク管理機能」も備えているほか、さまざまな情報を一元管理できるため、情報をストックするのに向いています。
ノート数無制限のフリープランがあり、1カ月のトライアル期間中は全ての機能を無料で試せます。期間終了後も1ユーザーあたり月額300円という安心価格でスタートできるため、ぜひ、チャットツールSlackと一緒に検討してみてください。
詳しい料金プランについてはこちら
ここからは、ブラウザ版での使い方に絞り、Slackの始め方や使い方を解説します。まずは、基本の画面構成を見ていきましょう。
以下が、基本の画面構成です。
Slackの画面は、大きく分けると、「サイドバー」「チャンネル」「メッセージフィールド」「ナビゲーションバー」で構成されています。次では、それぞれの詳細を解説します。
サイドバーでは、Slackでの会話にアクセスできます。ここでは、参加中の「チャンネル」や「ダイレクトメッセージ」、会話の「通知」や「新規メッセージ」を作成するオプションが表示されます。
チャンネルでは、業務に必要なメンバーや情報を集約し、目的ごとに業務を整理することができます。現在のチャンネルに関する詳細がわかる「チャンネルヘッダー」、メッセージの作成やファイルの追加を行える専用スペースである「メッセージとファイル」、メッセージにリアクションできる「絵文字リアクション」などが表示されます。
メッセージフィールドでは、さまざまなオプションを使い、チームとコミュニケーションがとれます。ここでは、「ファイルの添付」「チームメンバーへのメンション」「メッセージの書式設定」「メッセージの編集または削除」などが行なえます。
ナビゲーションアイコンでは、「履歴」の閲覧、会話の履歴の「検索」、Slackの「ヘルプ」を利用できます。
ここからは、基本的な使い方を紹介します。Slackのアカウント作成は、ワークスペース(チャンネルで構成されるグループ全体で使用する場所)を作成したり、ワークスペースに参加したりするのと同時に行います。
チームで利用するためのワークスペースを作成します。まずは、こちらにアクセスし、使用するメールアドレスを入力し「続行する」をクリック、または、AppleかGoogleを選択して続行します。
入力したメールアドレスにSlackからメールが届いているのでメールで確認コードをチェックし、確認コードを入力します。
「ワークスペースを作成する」をクリックし、表示される指示に従って作業を進めましょう。
まず、サイドバーにある「チャンネル」をクリックし、「チャンネル作成する」を選択します。
チャンネルの名前を指定し、「次へ」をクリックしましょう。
チャンネルのタイプ(パブリックまたはプライベート)を選択し、「作成」をクリックします。
チャンネルにメンバーを追加する、または「後でする」をクリックしましょう。
なお、デフォルト(初期設定)では、メンバーはチャンネルを作成できます。また、マルチチャンネルゲスト(複数のチャンネルに参加できるがアクセス制限があるゲスト)は、プライベートチャンネルのみ作成できます。ワークスペースのオーナーは、これらの権限を変更することが可能です。
ワークスペースに新規メンバーを招待できるかどうかは、Slackのメンバー種別やワークスペースの設定、プランなどによって異なります。なお、フリープランでは、オーナー・管理者・メンバーが新規メンバーをワークスペースに招待できます。ここでは、フリープランの操作方法を見ていきます。
まず、デスクトップの画面左上にあるワークスペース名をクリックします。
メニューから、「メンバーを以下に招待:workspace name」を選択します。
招待する人のメールアドレスを入力します。
「送信」をクリックしてから、「完了」をクリックします。
デフォルトでは、ゲストを除くメンバー全員が新しいメンバーをワークスペースに招待できます。しかし、オーナーと管理者はこの設定を変更できるため、管理権限を変更した場合、招待には管理者による承認が必要となります。管理者による承認が必要な場合、メンバーは招待をリクエストできますが、管理者はそれを承認または拒否できます。
招待されたワークスペースに参加するには、まず、メールの受信トレイを確認し、Slack から新しい招待が届いているかをチェックします。
届いているメールを開き、「今すぐ参加」をクリックします。
氏名・パスワードを入力し、「アカウントを作成する」をクリックし、参加してください。
Slackとは、世界中で広く利用されており、認知度の高いチャットツールです。チャット機能やファイル管理機能、ビデオ通話機能など複数の機能を併せ持つツールで、「業務を集約できる」「カスタマイズ性に優れている」「外部ツールとの連携性がよい」といった特徴があります。
Slackには、無料で使用できるフリープランのほか、企業規模に応じた有料プランもあります。ここで紹介した特徴や費用感、操作方法などを参考にしていただき、Slackの導入を検討してみてください。
参考:Slack公式HP