こちらのコラムでは、無料で使える情報共有のためのビジネスノートツール「welog(ウィーログ)」の運営スタッフが、ビジネスにおける情報共有やナレッジマネジメントについて発信しています。少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
目次
主に官公庁で利用されることが多い、報告書の一種である「復命書」。復命書の提出を求められた場合、どのように記載するのか、書き方を知りたい方も多いでしょう。今回は、復命書の意味や役割とともに、復命書が利用されることの多い、研修参加時の例文と書き方のポイントをお伝えします。無料で利用できるテンプレートもご紹介しているので、復命書の作成にお役立てください。
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中小企業の属人化問題を解決するドキュメント共有ツールです。
業務において、上司に復命書の提出を求められることもあるでしょう。復命書の意味やどのように記載すればよいのか、一見しただけではわからない方もいるのではないでしょうか。まずは、復命書の意味やその役割を確認しましょう。
「復命書」とは、上司などから「命令」された職務内容について、その経過や結果を報告する報告書の一種で、主に官公庁や自治体で使われています。医療や看護・介護系の現場で使われることもあるでしょう。提出が必要になる主なシーンには、出張や研修への参加時などが挙げられます。
復命書の対になる文書に「命令書」があります。命令書とは、部下に対して出す指示内容を書面で残すために作成されるものです。これに対して、復命書は命令書で指示された内容がきちんと遂行されたかを報告するものです。命令書に対する復命書と、セットで覚えておくとよいでしょう。
官公庁や自治体の活動の財源は、税金です。復命書は、税金が正しく使われたかを証明するための、「公文書」としての役割を持ちます。
例えば、職員が上司からの命令に対して研修に参加した場合、復命書を提出することで、指示が確実に遂行されたかを証明するとともに、その遂行にかかった経費が目的通り使用されたかを証明することができます。
復命書に似た性質をもつ文書に、「報告書」があります。ビジネスシーンにおいて、報告書は、報告者が遂行した職務内容について、その結果を報告するために作成する文書です。民間企業では、出張や研修参加時には「報告書」として作成するのが一般的でしょう。
2つの文書は用途は似ていますが、報告書は幅広い事柄の報告に使用できるのに対して、復命書は「命令に対して実行したこと」を報告するもの、と括られます。報告書の一種に復命書があると考えるとよいでしょう。
復命書には、以下の項目を記載するのが一般的です。
1.報告年月日
2.所属・職名・報告者氏名
3.表題(視察・研修・会議出席などの用務)
4.指示の実行日(出張や研修実施日・期間)
5.指示の実行場所(出張先の住所など)
6.報告内容の要約(用務の目的や内容を簡潔に記載)
7.本文
8.所感(感想・意見・課題・提案など)
9.添付資料(出張・研修で受け取った資料や、経費の詳細など)
これらを基本項目として、内容に応じて適宜調整を行いましょう。所定のフォーマットが存在する場合は、それに準じて記載します。
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復命書の正しい書き方を知りたい方は多いでしょう。ここからは、注意したい復命書の書き方のポイントをご紹介します。
まず、復命書は指示された業務遂行後にすみやかに作成し、提出することを心がけましょう。日々の業務に追われて後回しにしてしまうと、業務で得た気づきや課題感など、肝心な点を忘れてしまうといったことも考えられます。また、復命書の提出が費用精算のための必須事項という場合もあるでしょう。スムーズな作成と提出のために、復命書が必要な職務の際は、随時メモを取っておくこともポイントです。
公文書としての性質を持つ復命書は、内容を正確に記載することが求められます。出張や研修などに参加した場合は、その日時や場所、研修会の名前や講師の情報なども正確に記すことが必要です。作成時は、業務遂行時に受け取った資料を参考に、誤りのないよう記載しましょう。
復命書の本文は、時系列に沿って内容を記述します。時系列に記載することで、上司や読み手が内容を把握しやすくなるでしょう。ただし、本文の記載は簡潔さも大切です。ポイントは、「何をしたのか」と「その結果、得られた成果」です。この2点がわかるように記載を行いましょう。なお、「何をしたのか」の記述は、命令書の命令内容と一致していることもポイントです。
多くの復命書には、「所感」という自由記述欄が設けられています。所感とは、ただの感想ではありません。指示に従って遂行した職務で得た知見や、現状の課題、今後の業務に活かしたい内容を記しましょう。今後の業務に対する提案をできることが最善ですが、そこまでまとまらない場合でも、得た知識等は必ず記載するのがポイントです。
研修などでは、資料が配布されることが多いでしょう。指示内容の遂行時に得た資料は、参考資料(添付資料)として、復命書と一緒に提出します。復命書に記載する内容が多い場合は、本文は「添付資料を参照」としておき、詳細な部分を説明する補助目的でも利用できます。
会場までの交通費や宿泊費など、費用が発生した場合の領収書も忘れずに添付しましょう。
医学系の学会や看護・介護研修など、専門性の高い内容の研修や会議への参加では、復命書だけでその内容を報告しきれないという場合も多いでしょう。臨床での手技を学ぶ講習会などではなおさらです。
このような会の参加時に、写真や動画の撮影ができる場合は、補助資料として復命書に添付する方法もあります。特に、研修会で得た手技に関する職場内研修の予定がある場合は、実際の場面が最もわかりやすく役立つでしょう。
復命書は、多くの場合A4用紙で1枚程度に収まるように作成します。基本的には、あらかじめ用意されたテンプレートやフォーマットを使って内容を記載します。ここでは、基本的なテンプレートに沿って作成した、復命書の例文をご紹介します。
ここでは、リーダーシップ研修への受講を例とした例文を記載します。
<例文>
令和◯年◯月◯日
ダイバーシティ推進課 女性活躍推進係 鈴木直子
「女性リーダーのためのマインドセット研修の参加について」
表題の件について研修を受講してまいりましたので、下記の通りご報告します。
●日時:令和◯年◯月◯日 ◯時~◯時
●場所:神奈川県鎌倉市文化センター・セミナールームA
●主催者:一般社団法人XXXX
●講師名:◯◯〇〇(キャリアコンサルタント、認定キャリアコーチ)
●講座名:「女性リーダーのためのマインドセット研修」
●要旨:女性リーダーまたは今後リーダーを目指す女性に対して、リーダーや役職についてのイメージをポジティブなものに変換し、リーダーに求められるスキルを磨くことを目的としたもの。
●本文
本研修では、「女性リーダーに求められるマインドセットとは」「前向きなマインドをセットするワークショップ」と題した、全2部制の講座を受講致しました。
第1部では、調査・事例報告を交えながら、女性管理職が抱える不安や課題感と、それらが女性管理職へのイメージを消極化させる要因となり得ることを学びました。
また、リーダーシップ像は多様であることと、女性ならではの特性を生かしたリーダーシップの在り方を学びました。
第2部では、「女性がリーダーとして活躍するために必要なマインドをセットする」として、事例に対してグループ毎のディスカッション、2人1組のロールプレイング・ワークを実施しました。
●所感
管理職への挑戦をためらう女性のマインドを変化させるきっかけとして、従来のリーダーシップとは異なる「リーダーシップの多様性」について、職場での認知を拡大させていくことが必要であると感じました。多様なリーダーシップ像を職場全体の共有認識とすることが、女性の活躍につながり得ると考えます。また、自らの特性や強みを把握することが、型にとらわれず、その人ならではのリーダーシップを発揮し活躍する土台になることを実感しました。
●提案
女性のリーダーシップ推進に向けて、今回の学びを活かして職場でのワークショップを開催し、それぞれの持ち味を把握するきっかけとしてはどうか。
●添付資料(別紙)
「女性リーダーのためのスキルアップ研修」資料(1部・2部)
復命書の効率的かつ効果的な作成には、テンプレートの活用や、作成・共有・管理を円滑に進める仕組みが欠かせません。文書の作成と共有・管理に特化したクラウドツール「welog」なら、復命書の作成と提出、保管や管理を効率よく進めることが可能です。
welogを使って復命書を作成することで、以下のようなメリットが期待できます。
・テンプレート機能で、復命書の作成がスムーズに行える
・作成した情報はクラウドで一元管理されているので、上司への共有や過去の情報の
検索がしやすい
・強固なセキュリティで、情報漏えいのリスクを低減
・ペーパーレスだから保管場所やスペースが不要で、業務効率化につながる
welogは、シンプルでわかりやすい操作性を備えているため、初めて使う方でも復命書をはじめとして、さまざまな文書を作成することが可能です。無料のテンプレートも利用できます。
作成された情報はクラウド上に保存されているため、ボタンひとつで必要な相手に共有可能。プライバシーマーク取得の強固なセキュリティシステムを構築し、情報漏えいリスクに対応しています。ペーパーレスでのやり取りが実現でき、紙文書の保存・保管といった煩わしい業務から開放され、コア業務に集中することも可能です。
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主に官公庁で多く使われる復命書は、公共性の高い文書であるため、正確な記載が求められます。特に、命令書の指示内容と合致しているかを厳密に確認される場合もあるので、書き方には注意が必要です。所感などの自由記述欄は、簡潔かつわかりやすく記載しましょう。今回掲載した研修報告の例文やテンプレートもお役立てください。