こちらのコラムでは、無料で使える情報共有のためのビジネスノートツール「welog(ウィーログ)」の運営スタッフが、ビジネスにおける情報共有やナレッジマネジメントについて発信しています。少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
目次
顛末書の作成を求められた際、書き方が分からず悩む方もいるのではないでしょうか。今回は、顛末書の作成シーンや始末書・経緯報告書との違い、基本的な書き方や社内・社外向けの例文付きフォーマット・テンプレートをご紹介します。
「welog」は、メンバーのノウハウやナレッジを見える化することで
中小企業の属人化問題を解決するドキュメント共有ツールです。
顛末書(読み方:てんまつしょ)とは、仕事上のミスやトラブルについての経緯を報告し、再発防止策を記載する書類のことで、トラブルを解決した後に作成する書類です。顛末書は、ミスやトラブルの対応が済んだら、できるだけ早く提出することが求められます。
顛末書を作成するのは、どのような場面なのでしょうか。
顛末書は、役所などの公的機関に提出する、グループ企業へ提出するなど「社外向け」に作成するケースもありますが、基本的には「社内向け」に作成する書類です。顛末書を作成する主なシーンは、以下の通りです。
・商品などに破損や紛失、不備などがあった場合
・事務処理など手続き上のミスがあった場合
・遅刻や交通事故が起きた場合
顛末書と混同されやすい書類に「始末書」と「経緯報告書」がありますが、それぞれ顛末書とは記載する意味や場面が異なります。
顛末書を書くことになった場合、「やばい」「困った」などと考える方もいるかもしれませんが、顛末書は業務上のトラブルなどの原因を分析し、再発防止を図るために記載する報告書です。そのため、クビや減給など処分や人事評価の対象にならないケースに作成します。一方、始末書(読み方:しまつしょ)は、主に社内向けの業務トラブルなどに対して謝罪する、反省文の意味合いがある書類です。顛末書と違い、主に懲戒処分の対象になるケースで作成します。
顛末書と経緯報告書の違いは、書類を作成するタイミングです。経緯報告書も業務上のミスやトラブルの経緯を報告する書類ですが、顛末書はトラブルが解決した後に作成するのに対し、経緯報告書はトラブルが解決する前に作成することを把握しておくとよいでしょう。
また、取引先などの社外に向けてお詫びをする場合は、「詫び状」あるいは「謝罪文」を作成するのが一般的です。
顛末書を記載する際は、どのような点に気をつけて作成すればよいのでしょう。ここからは、顛末書の基本的な書き方を解説します。
顛末書は、「When(いつ)・Where(どこで)・Who(だれが)・What(なにを)・Why(なぜ)・How(どのように)」といった「5W1H」を意識して記載することが大切です。
5W1Hの法則に従い、ミスやトラブルの原因、責任の所在や対策、今後の再発防止策などについて分かりやすく記載しましょう。
客観的かつ具体的に事実を記載することも、顛末書の書き方で気をつけたいポイントです。顛末書は、同じミスやトラブルを繰り返さないための資料としても用いられます。時系列に沿いながら、読み手が事態を正確に把握できるよう記載しましょう。
また、顛末書は必ずしもトラブルの当事者が作成する必要はありません。客観的な視点で物事を捉えられる適任者が、顛末書を作成するとよいでしょう。
顛末書は、正式なビジネス文書となるため、ビジネス文書の書き方のルールに沿って記載しましょう。例えば、構成として、日付や宛名、差出人や件名を必ず記載します。署名の横には捺印も必要です。捺印する際は、署名に重ならないように注意しましょう。
また、件名の「顛末書」は必須で、行の中央に記載します。時候の挨拶や「拝啓」「敬具」などは、記載する必要はありません。
顛末書の記載に不慣れで、顛末書の書き方に迷う場合もあるのではないでしょうか。顛末書を作成する場合、基本のフォーマットやテンプレートがあると、誰でも迷わずに作成できます。会社によっては顛末書を手書きで作成する場合もありますが、テンプレートを使いパソコンで作成すれば、読みやすい顛末書となるでしょう。
関連記事:【例文付き】社内文書の書き方。種類に応じた項目や、押さえておきたいポイントを解説
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顛末書の基本的なフォーマット・テンプレートがあれば、作成時に役立ちます。ここからは、顛末書の基本項目と例文を紹介しますので、参考にしてください。
顛末書に記載すべき基本項目は、以下の通りです。
【基本項目】
・日付
・宛名
・作成者
・件名
・概要(発生日時・発生場所・経緯・原因・今後の対策)
ここからは、社用車で交通事故を起こした際に作成する、社内向け顛末書の例文をご紹介します。交通事故の場合、必要に応じて写真や図、地図なども添付して提出するとよいでしょう。
《例文》
令和〇年〇月〇日
〇〇部〇〇部長
〇〇部〇〇課 〇〇 印
顛末書
令和〇年〇月〇日に私が起こした接触事故につきまして、詳細を下記の通りご報告申し上げます。
記
1.事故発生日時:令和〇年〇月〇日 〇時〇分頃
2.事故発生場所:〇〇県〇〇市 〇〇線〇〇交差点
3.事故の内容:社用車の接触事故
社用車は先端部分を損傷。先方の自家用車は後部に軽微なへこみと傷あり。先方に怪我はなし。法令違反なし。
4.当事者氏名:
1)事故を起こした者の氏名:〇〇部〇〇課 〇〇
2)先方の氏名:〇〇
先方の住所:〇〇
5.事故の発生状況:(別紙参照)
社用車で顧客宅へ向かう途中の〇〇市〇〇線〇〇交差点右折時に、前方で一時停止していた先方の自家用車へ接触をしてしまうという事故を引き起こしてしまいました。その際、先方の車両の後部部分を破損させてしまいました。
6.事故原因:当方の前方不注意による事故です。
7.事故対応:先方の車両の修繕費用は弊社が負担するということで、既に示談が成立しております。
8.今後の対策:
社用車を運転しているという認識が薄弱であったことを、深く反省しております。今後は安全運転を心がけ、細心の注意を払って運転を行いたいと考えております。
顛末書は、子会社から親会社に提出する場合やグループ企業に提出する場合など、社外向けに作成するケースもあります。ここでは、納品間違いのケースについて、例文を見ていきましょう。
《例文》
令和〇年〇月〇日
〇〇株式会社 〇〇部長
〇〇株式会社 〇〇部〇〇課 〇〇 印
顛末書
この度起こりました弊社の納品間違いにつきまして、多大なるご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。ご要望違いのものを納品してしまった経緯について調査した結果、発生原因が判明致しましたので、ご報告させていただきます。
記
1.令和〇年〇月〇日、弊社〇〇部の〇〇が、お電話にて貴社のご担当者である〇〇様より次回納品から商品の仕様を〇〇に変更したいとの電話連絡を受けた。このとき、〇〇が弊社担当者に確認することなく承諾してしまった。
2.弊社〇〇は、商品の仕様変更について弊社担当者へ連絡するのを忘れていた。その結果、以前の仕様のまま商品を納品してしまった。
3.納品日に貴社ご担当者様より連絡を受け、納品間違いが発覚した。
このような事態を起こしてしまった原因は、弊社担当者間の確認不足と連絡漏れです。
今後は、このような確認不足や連絡漏れを防ぐために、ご依頼いただいた内容は必ずメモなど形に残すようにルール化致します。また、内容については関係者だけでなく管理者にも送るように徹底し、複数の目で確認できる環境づくりを行います。
ドキュメント共有ツール「welog」は、情報共有を円滑にすることができるツールです。welogを使えば、以下のような顛末書テンプレートを作成できます。
(「welog」を使って作成したテンプレートはこちら)
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ノート数無制限のフリープランがあり、1カ月から安心価格でスタートできます。この機会に、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
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顛末書は基本的に社内向けに作成する書類です。始末書とは違い、懲戒処分の対象になることはなく、仕事上のミスやトラブルの再発防止を図るために記載する報告書となります。顛末書を作成する際は、「書き方のルールに沿う」「客観的事実を記載する」「フォーマット・テンプレートを活用する」などのポイントを押さえるとよいでしょう。
基本的な書き方や社内・社外向けの例文も参考にしていただき、顛末書の作成に活かしてください。