こちらのコラムでは、無料で使える情報共有のためのビジネスノートツール「welog(ウィーログ)」の運営スタッフが、ビジネスにおける情報共有やナレッジマネジメントについて発信しています。少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
目次
社内文書は、社内で使用することを目的とする文書のこと。社内文書の基本的な書き方や、上司や部下など立場による書き方の違いについて知りたい方もいるでしょう。今回は、社内文書の主な種類などの概要や、基本項目や構成、書き方のポイントをご紹介します。報告書やお願いなどの書き方についても例文をご紹介します。
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社内文書とは、「社内で使用することを目的する文書」の総称です。その種類はさまざまで、情報を社内に周知し、意思疎通を図ったり業務を円滑に進めたりするために作成されます。
社内文書には、就業規則や各社内規程の他に、指示や報告、お願いなど、目的に応じてさまざまな種類が存在します。社内文書の主な種類について見ていきましょう。
上層部や上司から部下へとトップダウンで命令や指示などを伝えるための文書です。
・通達:異動辞令
・指示:業務命令書 など
主として部下から上司や上層部へとボトムアップで報告や届出を行うための文書です。
・報告:日報、調査報告書、出張報告書
・届出:住所変更届、結婚届、休暇届
・申請:旅費交通費精算書、始末書 など
上記のような業務内容や個人情報に関して、報告する文書となるでしょう。
こちらも、主に部下から上司などに対して作成する文書です。
・提案:業務改善提案書、企画書、計画書
・稟議:購買稟議書、契約稟議書、採用稟議書 など
文書を上司などに回覧し、承認や決裁を得るために必要となります。
社内の業務内容や会議、各種データに関して記録する文書です。
・記録:議事録、手順書、社員名簿、人事考課書類
・集計データ:売上管理表、顧客管理表、営業成績表 など
社員や部署間への連絡事項や依頼(お願い)を伝達するための文書です。
・回覧:社内報、各種お知らせ、社内行事の案内書
・通知:人事異動通知書、会議日程通知書
・伝言メモ:電話・FAX・来客に関するメモ
・依頼:作業依頼書、書類提出依頼書、アンケートの依頼書 など
社内文書に盛り込むべき項目や構成などは、種類によっても異なりますが、基本的な項目と、書き方について見ていきましょう。
(1)発信日
文書を発信する日です。文書を作成した日ではなく、発信する日を記載するようにしましょう。
(2)宛名
誰に宛てた文書なのか記載します。記載する順番は、所属部署名、職名、氏名、敬称の順で記載しましょう。
(3)発信者
誰が発信する文書なのかを明記するため、所属部署名や職名、氏名を記載します。発信者は、責任者となる上司の名前で記載する場合もあるため、発信者名を誰にするのかは、事前に上司に確認しておきましょう。
(4)表題
文書のタイトルを記載します。文書の趣旨が伝わりやすいように、内容を簡潔に記載するとよいでしょう。
このほか、発信者や発信時期などを効率的に管理するために、「文書番号」を記載するケースもあります。
基本項目の後に、用件・本題を伝える「主文(本文)」が続きます。主文は、時候の挨拶は省き、文書の趣旨から記載しましょう。複数の用件を記載する場合は、「記」と記載し、その下に用件が伝わりやすいように内容を箇条書きで記載します。文章の終わりには、結びとして「以上」と明記しましょう。主文も表題と同じく、簡潔でわかりやすい文章で記載することがポイントです。
ここからは、社内文書の種類によって、盛り込みたい内容と書き方をご紹介します。
提案書や稟議書などの承認や決裁が必要な文書を作成する場合は、提案や稟議を上げる理由や目的、そのことで得られる成果などを記載します。上司や決裁者が提案や稟議内容に疑問を抱かないよう、理由や目的は明確に記載することが大切です。
また、いつまでに確認や承認をしてもらいたいのか、承認や決裁の期限も記載します。基本的には、部下から上司(決裁者)に対して作成する文書になるため、丁寧で失礼のない文面で記載しましょう。
議事録の場合、会議で話し合われた決定事項やTODOを記載しましょう。決定事項は、「誰が何をいつまでに行うのか」がわかるように、担当者や期限も記載することが大切です。内容を漏れなく記載できれば、決定事項をスムーズに実行できます。
議事録は、会議の内容を正確に把握し、次の会議での議題を明確にできるように記載しましょう。
関連記事:議事録の必須項目。書き方のコツやテンプレート、議事録作成を効率化するツール
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社内文書の書き方には、いくつかのポイントがあります。ここからは、社内文書の書き方で押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
社内文書は、読み手が短時間で内容を把握できるよう簡潔に記載することが大切です。用件となる主文は一文一義を心掛け、できるだけ短い文章でシンプルに伝えるようにしましょう。また、基本的に結論や重要な内容から順番に記載します。最初に結論を明記すれば、読み手が内容を理解しやすくなるため、その後の迅速な行動にも繋がります。
また、文章を読みやすくするため、「箇条書きや段落番号を使う」「改行する」などの工夫を取り入れるとよいでしょう。
社内文書は、以下に挙げる「5W3H」を意識しながら情報を記載することもポイントです。
【5W3Hとは】
・When(いつ:時期)
・Where(どこで:場所)
・Who(誰が:対象)
・What(何を:課題)
・Why(なぜ:動機)
・How(どのように:手段)
・How Many(どれくらい:規模)
・How Much(いくら:価格)
5W3Hを意識すると、情報の抜け漏れがないかを確認しながら文書を記載することができるでしょう。
社内文書は、「だ・である」調(常体)ではなく、「です・ます」調(敬体)で書きましょう。常体で書かれた文書は、敬体で書かれた文書より、読み手に内容が伝わりにくくなります。部下から上司や上層部に向けた文書、またはその逆の場合においても、基本的には常体ではなく敬体を使うとよいでしょう。併せて、敬体と常体が文書内に混在していないのかなど、文書ルールの統一についても確認が必要です。
箇条書きを使う場合は、内容を整理するために文末を名詞や代名詞にする「体言止め」を使うケースがあることも、理解しておくとよいでしょう。
文書内の敬語表現は、最小限に抑えるのもポイントです。例えば、「いたします」や「いただきたいです」などの文言は、多用すると文章の内容が読み手に伝わりづらくなります。社外文書の場合は、正しく敬語を使うことが求められますが、社内文書はわかりやすさが優先されます
人名や役職名などの後ろにつけて相手に対する敬意を表す「敬称」の書き方に迷う方もいるかもしれません。社内で使われる敬称には、「殿」「様」などがあります。基本的に、社内文書は敬称をつける必要がないとされていますが、敬称の使い方は企業文化の違いによっても異なるため、社内のルールや前例に則って記載するとよいでしょう。
部長や課長などの役職名には、既に敬称の意味が含まれています。そのため、役職者に対しては「〇〇部長殿」などとは記載せず、名前+役職名で記載します。
ただし、企業によっては役職名の後に「殿」をつける場合もあるため、社内の慣例に従うとよいでしょう。
【敬称例】
〇〇部長/〇〇課長/〇〇マネージャー
先輩など目上の人に対しては、「様」と記載します。企業や文書の内容によっては「さん」と記載するケースもあるでしょう。
部下など目下の人や非役職者に対しては、一般的に「様」や「殿」が使われます。ただし、企業によっては「さん」を使う場合もあるなど、記載方法はさまざまなようです。迷う場合は、文書の内容から検討するほか、前例にならうとよいでしょう。
複数の相手に対しては、「各位」と記載します。「各位」は「皆様」を意味する敬称で、「皆様」に比べてより丁寧な表現方法です。各位は、上司や目上の人に対しても使用できます。
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ここからは、「上司への報告書」と「依頼書」について、書き方の例文をご紹介します。自社の社内文書に適したフォーマットづくりにお役立てください。
表題は、「研修報告書」と記載するのではなく、何の研修報告書か内容がわかるように記載しましょう。所感は、「何を学んだのか」「今後の業務にどのように活かすのか」を記載するのがポイントです。主観的な意見は最小限とし、「事実」を報告するように心掛けましょう。必要に応じて、当日の資料タイトルとページ数を記載し、資料を添付します。
依頼書は、「いつまでに・誰が・どこに・何を」しなければならないのかを記載することが大切です。対象者などを明確に記載することで、担当者が締め切りまでにどのようなアクションを起こせばよいのか把握しやすくなるでしょう。
社内文書は、基本的な項目や構成を押さえた上で、稟議書や報告書、お願いなど文書の目的に応じて書き方を変えるとよいでしょう。社内文書は、「簡潔・わかりやすさを重視する」「敬語表現に気をつける」などのポイントを押さえることが大切です。社内文書の例文も参考にしながら、社内で活用される社内文書を作成しましょう。