こちらのコラムでは、無料で使える情報共有のためのビジネスノートツール「welog(ウィーログ)」の運営スタッフが、ビジネスにおける情報共有やナレッジマネジメントについて発信しています。少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
目次
経緯報告書とは、業務中に起きたトラブルの経緯について関係者へ報告するための書類のこと。経緯報告書の基本的な書き方や社内・社外向けの書き方、テンプレート・フォーマットについて知りたい方もいるでしょう。今回は、経緯報告書の概要や書き方のポイント、メールで送る場合の注意点を紹介します。
「welog」は、メンバーのノウハウやナレッジを見える化することで
中小企業の属人化問題を解決するドキュメント共有ツールです。
経緯報告書(英語:Background report)とは、業務中にミスやトラブルが発生した際、その経緯や経過について関係者へ報告するための書類のこと。「経過報告書」とも呼ばれ、問題が解決していない段階で、ミスやトラブルの内容や状況をいち早く上司や取引先に報告するために用います。
経緯報告書には、「社内向け」と「社外向け」の2つの種類があり、業務上のトラブルが自社内のみに影響する場合は社内向けの経緯報告書、取引先に影響する場合は社外向けの報告書を作成します。双方の書き方の違いについては、この後の章で詳しく解説していきます。
経緯報告書と似ている書類に「顛末書」がありますが、経緯報告書とは、書類を作成するタイミングにおいて違いがあります。経緯報告書は、トラブルが解決する前に作成する書類です。一方、顛末書は、トラブルが解決した後に作成する書類となります。
経緯報告書は、どのようなことを意識して記載するとよいのでしょうか。ここからは、経緯報告書の基本的な書き方を見ていきましょう。
経過報告書は、発生した事実やそれに関わった人物などを時系列に記載します。トラブルが起きた経緯や現在の状況について整理し、報告する相手に理解してもらう必要があるためです。時系列で内容を記載するとボリュームが出てしまう場合は、別紙に記載してもよいでしょう。
経緯報告書は、「When(いつ)・Where(どこで)・Who(だれが)・Wha(なにを)・Why(なぜ)・How(どのように)」といった「5W1H」を意識し、事実を簡潔に記載しましょう。5W1Hを意識すれば、情報を正確に読み手に伝えることができます。
また、箇条書きで記載するなど、読みやすいレイアウトにすることもポイントです。
経緯報告書に記載すべきことは、トラブルの内容だけではありません。原因と対策を記載することも、経緯報告書の書き方において意識したいポイントです。原因や対策が記載されていない場合、「トラブルを解決するつもりがないのではないか」「トラブルが繰り返されるのではないか」と、相手に捉えられる恐れもあります。クレームに発展しないためにも、報告する相手に誠意が伝わる文章を心がけましょう。
「welog」は、メンバーのノウハウやナレッジを見える化することで
中小企業の属人化問題を解決するドキュメント共有ツールです。
《例文》
株式会社〇〇御中
作成日:〇〇年〇〇月〇〇日
作成者:〇〇株式会社〇〇課〇〇〇
平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
この度は、弊社の不手際により貴社に多大なるご迷惑をお掛け致しましたことを、深くお詫び申し上げます。
〇〇年〇〇月〇〇日に発生いたしました納期遅延について、以下のように経緯をご報告させていただきます。 敬具
事案:
令和〇〇年〇〇月〇〇日(〇)△△:△△頃、~~~【ここに、具体的な説明文を入れる】が発生し、〇〇月〇〇日納品予定であった〇〇の納品遅延が発生いたしました。
現状:
〇〇月〇〇日時点での納品遅延は〇〇個
経過:
〇〇月〇〇日 △△:△△ 製造ラインを2倍に増加し、不足分に対応
〇〇月〇〇日 △△:△△ 予定していた納品量の3割である〇〇個を納品
〇〇月〇〇日 △△:△△段階での納品遅延は〇〇個。〇〇月〇〇日までに遅延分を全て納品予定
原因:
遅延の原因は、~~~【ここに、具体的な説明文を入れる】であると考えます。
対策:
今後は、〇〇が再発しないように、〇〇する予定です。今後このようなトラブルが起きないように、〇〇いたします。
基本項目として、宛名や日付、作成者を記載しましょう。時候の挨拶や謝罪の言葉を記載してから、事案・現状・経過・原因・対策を記載します。発生した内容を時系列で記載し、事実をありのままに記載しましょう。
先述した通り、経緯報告書には「社内向け」と「社外向け」があります。報告するシーンが異なるため、書き方の違いに注意が必要です。ここからは、双方の書き方とおすすめのテンプレートをご紹介します。
まずは、社内向け経緯報告書の書き方とテンプレートについて解説します。
社内向けの経緯報告書では、内容をシンプルかつ明確に記載しましょう。あまりかしこまった文章にする必要はなく、現在起こっている問題やその原因、これからの対応についてきちんと記載します。詳細については、口頭で説明するなど、補足してもよいでしょう。
エクセルを使用した経緯報告書テンプレートです。こちらは、基本的な項目のほか、備考欄も盛り込まれています。項目ごとに分かりやすくレイアウトされているため、新入社員でも記載しやすく、上司が確認する際も読みやすいでしょう。
記載項目は、以下の通りです。
・日付
・所属
・氏名
・経緯
・原因
・今後の対応と見通し
・備考
「welog」は、メンバーのノウハウやナレッジを見える化することで
中小企業の属人化問題を解決するドキュメント共有ツールです。
社外向けの経緯報告書は、社内向けとどのような点に違いがあるのでしょうか。ここからは、社外向けの書き方とテンプレートを見ていきます。
社外向けでは、その後の対応を協議する際、取引先に対してトラブルの状況を正確に把握してもらうことが重要であるため、事実を客観的に記載することが大切です。ただし、事実はありのままに記載すればよいというわけではなく、取引先との今後の関係性を考慮して記載する必要もあります。社外向けの経緯報告書では、記載内容について必ず上司に確認をとるようにしましょう。
こちらは、ワードを使用した経緯報告書テンプレートです。経緯や対応といった内容を時系列に記載できるようにするなど、自社の使い方に合わせて自由にカスタマイズしてお使いください。
記載項目は、以下の通りです。
・宛名
・日付
・作成者
・内容
・時候の挨拶
・お詫びの言葉
・経緯
・原因
・今後の対応
・結びの挨拶
トラブルの状況を迅速に報告するため、メールを使って経緯報告書を送る場合もあります。その場合、どのようなことに気をつけるとよいのでしょうか。
経緯報告書は会社のトラブルが記載されている書類であるため、会社によっては「機密情報」として取り扱う場合もあります。そのため、情報漏洩の危険性を考慮し、「取引先や上司にメール送信の可否を確認する」「メール送信の際にはパスワード付きの添付ファイルで送付する」といった対応をとるのがおすすめです。
また、メールの本文で経緯報告の内容を記載する場合、タイトルを「◯◯に関する経緯報告書」とし、メールに記載されている内容が一目で分かりやすくすることも大切です。
「welog」は、情報共有を円滑にすることができるドキュメント共有ツールです。welogを使えば、以下のような経緯報告書テンプレートを作成できます。
(「welog」を使って作成した例文付きテンプレートはこちら)
(「welog」を使って作成した例文なしテンプレートはこちら)
Word感覚で使えるシンプルな操作性であるため、誰でも簡単に経緯報告書を作成・共有・活用することができます。クラウド上の情報は、メールや外部チャットと連携してボタン一つで共有できるのも特徴です。パスワード付きの閲覧専用URLを発行し、組織外の関係者に共有することができるほか、情報へのアクセスを制限する機能も備えているため機密情報も安心して取り扱うことができます。
ノート数無制限のフリープランを気軽に試すこともでき、情報共有に必要な機能を1カ月から安心価格で利用できるため、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。
「welog」の無料登録はこちらからできます。
経緯報告書は、基本的な書き方やポイントを押さえた上で記載しましょう。社内向け・社外向けで書き方に違いはありますが、原因や対策まで記載することがポイントです。ご紹介した書き方や例文付きテンプレートなどを参考にしていただき、経緯報告書を効率的に作成してください。
関連記事:【例文付き】社内文書の書き方。種類に応じた項目や、押さえておきたいポイントを解説