こちらのコラムでは、無料で使える情報共有のためのビジネスノートツール「welog(ウィーログ)」の運営スタッフが、ビジネスにおける情報共有やナレッジマネジメントについて発信しています。少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
目次
会議の内容を記録する、議事録。「議事録担当になったけれど、書き方に自信がない」というビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。議事録では、会議の目的や内容に応じて必要な情報を取捨選択し、わかりやすく記載することが求められます。今回は、議事録の書き方のコツやテンプレート、Web上で議事録を作成し共有できるツールなどについてお伝えします。議事録のテンプレートや議事録について学べる本もあわせてご紹介します。
「welog」は、メンバーのノウハウやナレッジを見える化することで
中小企業の属人化問題を解決するドキュメント共有ツールです。
議事録とは会議や打ち合わせの内容などを記録してまとめた文書のこと。議事録の種類や作成方法は「会議報告書」「株主総会」「理事会議事録」など、会議の種類によって異なります。そのため、効果的な議事録を作成するには、議事録の作成目的を把握することが重要です。まずは、議事録を作成する目的をおさえておきましょう。
議事録の最も大きな目的は、その場にいない関係者全員に会議の内容を伝達することです。会議の多くは、責任者など関係者の一部のみが出席して開催されます。会議の内容ややるべきことなどを、出席しなかった関係者を含め全員に周知するために議事録を作成する必要があります。
関係者全員に会議の内容を伝えるという目的において、最も重要なのは「決定事項」と「TODO」の伝達です。会議の場で何が決まり、それに基づいて何を行う必要があるのかを確実に伝達できるように、議事録を作成しましょう。
議事録は、出席者の中で決定事項に対する認識を揃えるという意味でも重要な記録です。同じ会議への参加者でも、認識が違っていたり、聞き逃してしまったりすると、理解できている範囲が参加者ごとに異なる場合もあるでしょう。また、時間経過とともに決定事項ややるべきことを忘れてしまう、日時などの食い違いが起きる、といったことを防ぐための備忘録としての役割も担います。
会議で話し合われた内容に関する認識の食い違いを防ぐには、発言者と発言内容を正確に記載することがポイントです。それぞれの議題で話し合われた内容について、まずは発言者とその内容がわかるよう、メモを取っておき、後から清書するなどしてまとめていくとよいでしょう。 議事録のメモが追いつかないという場合は、以下の記事も参考になります。
せっかく作成した議事録が、「見づらい」「わかりづらい」と感じたり、上司に指摘されたりした経験のある方もいるのではないでしょうか。議事録が見づらい、またはわかりづらいものとなる要因は、「文字起こしに終始しており、内容がまとまっていない」「必要な要素が抜けている」などが考えられます。それぞれどのような状況か、見ていきましょう。
会議で話された内容を、文字起こしのように羅列したまま完成版としてしまうと、内容にまとまりがなく、一見して見づらい議事録になってしまいます。例えば、会議の場では話し合われた内容にもとづいて、結論や決定が下されることが多いでしょう。議事録にもその順に記してしまうと、結論が最後まで読まないとわからないという状況になります。読み手にとってはいつゴールにたどり着くのか、ゴールがあるのかがわからない状態となり、見づらい・わかりづらいと感じられてしまうこともあるでしょう。
このような状況を防ぐためには、議事録では結論を先に述べて、その後に詳細を書くという流れを意識して書くとよいでしょう。また、適宜改行する、箇条書きを使うなどすると、見ためがスッキリまとまって見えます。
簡潔に記すのが基本の議事録ですが、必要な要素が書かれていないとわかりづらいものになってしまいます。後で詳しく説明する5W2Hの要素や、発言内容の要約など、決定事項とToDoの他にも、それに至る経緯や背景などが押さえられていると、会議の内容が伝わる、わかりやすい議事録になるでしょう。
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なお、議事録作成ツールを使って業務の効率化を図りたい方には、こちらの記事が参考になります。
参考:議事録作成ツール7選。フリーソフトや自動作成可能なツールなど
よい議事録とは、読み手が会議の内容を明確に把握できるものです。そのためには、内容が整理されており、簡潔でわかりやすく記載されていることが重要です。議事録を書くためのコツを、会議前から会議終了後の各シーンに沿って確認していきましょう。
会議が始まる前までに準備しておきたいことは、次の2点です。
まずは、開催の目的を把握しておきましょう。「情報を共有する」「意思決定を行う」「アイデアを洗い出す」など、その会議が何を目的としているのかにより、議事録に記載すべき内容や書き方も変わってきます。目的を把握することで、適切な議事録のフォーマットを選択することも可能です。
議事録の作成時は、「会議の内容の把握」と「情報の書き出し」という2つの作業を同時進行で行わなければなりません。あらかじめ議事録の構成を整理しておくことで、多くの情報の中から残しておくべき内容が明らかとなり、スムーズな議事録作成に役立つでしょう。議事録の基本的な構成は、以下の通りです。
(1)基本事項:会議名・日時・場所・参加者名
(2)記載項目:議題、背景、決定事項、課題、ToDoなど
(1)の基本項目は、会議前に記載を済ませておきましょう。
(2)の項目も、課題はあらかじめ記載しておきます。議題が複数に渡る場合は、マスで区切る、表にするなど、後から整理しやすい工夫を行うことが大切です。これまでの経緯など、背景となる内容を把握しておくと必要な内容を漏らさず記載できます。
続いて、会議中に心得ておきたいことを確認しましょう。
まずは、会議前に決めておいた構成や、議事録のフォーマットに沿ってメモを取りましょう。議事録を整理する作業は会議後に改めて行うため、この段階では見た目の綺麗さなどにはこだわらず、情報を漏らさないようにしておくことが重要です。素早く書き残すためには、文字だけでなく、「→」「↓」や「?」などの記号、略語なども積極的に活用しましょう。また、昨今導入が進むWeb会議ツールでは、録画や録音機能を備えたものもあります。必要に応じて、会議自体の録画を検討するのもよいでしょう。 議事録をメモする際のポイントについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。
参考:議事録のメモが追いつかない!素早く書く方法と便利なツールの紹介
誰が見てもわかりやすい議事録を作成するには、情報が整理されていることが大切です。そのためには、5W2Hにもとづいた記載を心がけましょう。それぞれの項目で記載する内容は以下のようになります。
会議が終了したら議事録を整理し、対象者に共有します。この段階では、情報の取捨選択による「整理」と、整理した情報の「正確性」「スピード感」が重要となります。それぞれについて、見ていきましょう。
まずは、会議中にとったメモをもとに、議事録を整理しましょう。会議の目的によって、必要な要点をふまえて書いていきます。簡潔でわかりやすい議事録を作成するためには、要約力が必要です。はじめにテーマや重要な情報、決定事項などを記載し、それに対する補足説明を付け加える形にするとよいでしょう。長い文章を使わずに、簡潔な説明にすることも重要です。単語や名詞化などで、必要最低限の文字で伝える工夫をしましょう。
仕上がった議事録を共有する際には、事前に上司や責任者に確認を依頼しましょう。誤字脱字を防ぐだけでなく、書き方によって読み手に誤解を与えてしまう場合も想定し、複数人の視点から正しく情報が伝わる議事録を目指しましょう。修正が必要になった場合も、全員への共有前に行うことで、のちの作業の効率化や混乱防止につながります。
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中小企業の属人化問題を解決するドキュメント共有ツールです。
議事録は一から作成するのは手間となり、何度も作成することを考えるとテンプレートを用意するのが効率的です。議事録にはさまざまなテンプレートがあるため、会議の目的に合ったものを選び、必要に応じてカスタマイズするとよいでしょう。ここでは、議事録のテンプレートに入れたい項目についてご紹介します。
最も一般的な議事録のフォーマットに入れたい項目は以下の通りです。
【概要】
●会議名
●開催日時
●開催場所
●参加者氏名 など
【議事】
●議題
●決定事項
●ToDo
●今後の予定
●補足事項 など
概要欄には、開催日時と参加者などの情報を書き込める欄を設けます。記録者の氏名を記載する項目を設ける場合もあります。議事は中心となる項目です。議題と議題に関する決定事項、今後の予定などを記載する欄を設けます。議題が複数個ある場合は、表にする、あるいは上から数字を振っていくなど、情報を整理すると見やすくなるでしょう。
【概要】
●会議名:新サービス〇〇販促会議
●開催日時:2022年5月15日
●開催場所:株式会社〇〇▲▲支店A会議室
●参加者氏名:営業部/山田課長・佐藤・小林・田中(敬称略)
【議事】
●議題:新サービス〇〇の販促計画について
●決定事項:
1.SNSやテレビCMなど複数の媒体を用いて、新サービス〇〇の宣伝を行う。
2.友達紹介キャンペーンを実施する。
●ToDo:
・次回会議までに、宣伝に使用する媒体および友達紹介キャンペーンの実施内容を決める。
●今後の予定:
・△月△日:宣伝開始
・▲月▲日:新サービス〇〇をリリース
・◇月◇日:友達紹介キャンペーンを開始(◆カ月間実施予定)
●補足事項:
・▢▢については、次回会議にて検討予定。
社内での打ち合わせなどを想定した議事録に記載したい項目は以下の通りです。
【概要】
●会議名
●開催日時
●開催場所
●参加者氏名 など
【議事】
●議題:
●議題に対するやり取り:
●決定事項
●ToDo など
新製品やサービスの「アイデア出し」「ブレスト」などを目的とした会議の場合、結果の記載だけでなく、それに至る経緯の記録も重要です。アイデアの出し方はさまざまな方法がありますが、経緯を記載できるような書き方がよいでしょう。議事録のみでは難しい場合には、補足として付箋と模造紙を利用したり、ホワイトボードに書き出した内容を画像ファイルとして添付したりする方法も有効です。この他、付箋やホワイトボード機能を備えたクラウドサービスと、議事録を作成できる情報共有ツールを併用する方法も検討しましょう。
【概要】
●会議名:〇〇イベントに関する方針決め会議
●開催日時:2022年5月16日
●開催場所:A会議室
●参加者氏名:企画課/松本課長・斉藤・山田・高橋・佐藤
【議事】
●議題:〇〇イベント実施に向けての意見交換
●議題に対するやり取り:
・例年、〇〇イベントは既存顧客から高評価をいただいている。
・一方で、新規顧客の獲得にはつながっていない。
・新規顧客の獲得につなげるため、イベント内容の一部変更が必要になりそう。
●決定事項:
・新規顧客の獲得に向け、〇〇イベントの内容を二部構成にする。
・〇〇イベントの新プログラムを、△月△日までに確定する。
●ToDo:
・次回会議までに、〇〇イベントの新プログラム案を各自考えてくる。
議事録は会議の目的や内容により、必要な情報を整理して伝えるために利用しますが、書く手間がかかったり、共有までに時間がかかったりすることに課題を感じることも多いのではないでしょうか。
「welog」は、「必要な情報を簡単に残せる。必要な情報が簡単に見つかる」をコンセプトとする、「チームのための情報共有ツール」です。クラウド上に作成した「ノート」に議事録を作成し、メールや各種ビジネスチャットと連携することで、遠隔にいる人にもスムーズに情報を共有できます。事前にノートのURLを共有しておけば、会議の参加者がそれぞれ議事録を確認し、複数人が同時に編集する「同時編集」も可能です。過去の議事録を遡って確認したい場合やテレワークで離れた場所にいる相手とすばやく情報共有を行いたいときなどに活用してみてください。
「welog」の無料登録はこちらからできます。
議事録を作成・共有する際に、何か迷ったことがある方もいるかも知れません。今さら聞けない、議事録にまつわる疑問について、お答えします。
議事録を作成する場合に、参加者や発言者に敬称をつけるかどうかで迷う場合もあるでしょう。一般的に、社内の人のみで開催され、共有も社内の人だけという場合には、敬称は省いても問題ありません。その場合は、敬称を省いていることがわかるよう、人の名前を記したあとなど目立つところに、「(敬称略)」と記しておきましょう。
一方、社外からの参加者に対する敬称は、必ず記載します。敬称を省くのは失礼にあたるので、注意しましょう。
議事録の作成に不慣れだったり、時間的な余裕がなく焦っていたりなど、議事録の内容を誤ったまま送付してしまう場合もあるでしょう。送付後に議事録の訂正が必要な場合、種類によって訂正方法が異なります。
役所への提出が求められる理事会・取締役会の議事録などの場合は、訂正前と訂正後両方の記載内容がわかるように修正が必要です。訂正箇所に二重線を引いたうえで訂正印を押し、余白部分に「〇字抹消、〇字加筆」と、法的なルールに則って記載します。一方、社内で日常的に行う会議における議事録など、社員向けに送付する議事録は、正しい内容に修正し、修正版として送付しましょう。
議事録を訂正する場合、紙をベースとした議事録を利用していると訂正と配布の工数が増え、訂正内容を全員が知るまでの時間も長くなるというデメリットがあります。議事録を効率的に作成・修正したい場合には、Web上に議事録を作成できる、情報共有ツールの利用を検討するとよいでしょう。
議事録の共有は、会議終了後なるべく迅速に行うことを心がけるとよいでしょう。企業によって共有までの期限が決まっている場合もありますが、特にルールがない場合も、「24時間以内」に共有すると捉えておきましょう。記憶が鮮明なうちに情報を整理することで、効率的で正確な議事録作成が行えるというメリットも期待できます。
議事録の書き方についてさらに学びを深めたい場合や、特定の会議に関する議事録の書き方をマスターしたい場合などに活用できる本をご紹介します。
経験の浅い担当者でも、組織運営に関する各種議案・議事録作成時の不明点や疑問点が明確になり、起案時の重要ポイントを掴むことができる実践解説書。議事録の基礎・基本として、議事録の分類や形式のルールなどとともに、「株主総会」「取締役会」「監査役会」などの各議事録のポイントも収録しています。ビジネスでの議事録作成全般をサポートしてくれるでしょう。
議事録に限らず、「ビジネス文書の文例を使いこなせない」「書くことが苦手で仕事がうまく進まない」などの業務上で必要な「書く」ことに対する課題に対し、言葉や文を扱う「基礎」を伝える入門書。文章を書くうえで身につけておきたい「基礎的な方法や手順」を、次の7つのステップに分けて解説しています。
各機関が作成すべき議事録の法的趣旨を踏まえたひな形を多数収録した議事録の専門書です。第2版となる最新版では、各企業がガバナンスへの取り組み強化として、取締役会・株主総会等各機関が審議・決議すべき内容を見直す必要があることを踏まえ、全体的な解説の見直しを実施。株式報酬の採用、D&O保険の導入等の記載例を追加しています。
議事録は、会議の目的を把握し読み手が知りたい情報の要点をふまえて書くことが大切です。あらかじめ構成やテンプレートを用意しておくと、効率的に議事録が作成できます。議事録を素早く共有したり、過去の議事録を整理したりする場合は、クラウド上で行う情報共有ツールの活用も検討し、書き方のコツをおさえて、スムーズな議事録作成につなげましょう。
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