こちらのコラムでは、無料で使える情報共有のためのビジネスノートツール「welog(ウィーログ)」の運営スタッフが、ビジネスにおける情報共有やナレッジマネジメントについて発信しています。少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
目次
PREP法とは、日常生活はもちろんのこと、ビジネスにおいても役立つ文章構成です。「SDS法」「DESC法」とどのような違いがあるのか、使い方やトレーニング方法について知りたい方もいるのではないでしょうか。本記事では、PREP法の概要やメリット・デメリット、シーン別のテンプレート・例文などを紹介します。
「welog」は、メンバーのノウハウやナレッジを見える化することで
中小企業の属人化問題を解決するドキュメント共有ツールです。
ビジネスにおいて、情報を分かりやすく相手に伝えることは大切ですが、どのように伝えたらよいのかわからない人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、基本の文章作成術の1つである「PREP法」について解説します。
PREP(読み方:プレップ)法とは、「結論」「理由」「具体例」「結論」の流れで情報を伝える文章構成のこと。PREP法を使えば、「話す」「書く」どちらの場面においても、相手に分かりやすく簡潔に伝えることができます。PREPとは、「Point ・ Reason ・ Example ・ Point」の頭文字を取った言葉です。
Point :結論
Reason :理由
Example:具体例
Point :結論
PREP法は、まず結論を述べ、その結論に至った理由と具体例を説明し、最後にもう一度結論を伝えるという特徴があります。
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文章構成には、PREP法以外にもいくつかのフレームワークがあります。ビジネスにおいて使われることが多いフレームワークに「SDS(読み方:エスディーエス)法」「DESC(読み方:ディーイーエスシー)法」がありますが、PREP法とはどのような点に違いがあるのでしょうか。
SDS法とは、「Summary(要点)」「Details(詳細)」「Summary(要点)」の順番で伝える文章構成です。PREP法とSDS法の違いは、「何を重点として伝えたいのか」にあります。PREP法の場合は「結論」の部分が最も重要であるのに対して、SDS法は「詳細」を伝えることに重点を置いています。PREP法は結論をしっかりと主張する場合に適していますが、SDS法は文章全体を理解してもらいたいときに適しています。
また、DESC法とは、「Describe(描写する)」「Express(説明する)」「Suggest(提案する)」「Consequence(選択する)」の順番で伝える文章構成です。まず、客観的に相手の状況を明らかにしてから自分の考えや気持ちを説明する方法で、相手に望む行動や解決策などを提案したのち、どのような行動をとるべきか選択してもらいます。DESC法は、自分の考えを正直に伝えた上で、相手に納得し行動してもらうのに適した構成と言えるでしょう。
では、PREP法を使うと、どのようなメリットがあるのでしょうか。
PREP法を使えば、相手に要点が伝わりやすいことがメリットです。結論から先に伝えるため相手が内容を理解しやすく、「何度も説明する」といった、不要なやりとりが生まれません。聞き手にとっても、「何を言いたいのかわからない」というストレスが生まれづらいでしょう。
結論を伝えた後に理由や具体例を説明するため、結論に至るまでの根拠を相手が理解しやすく、内容に説得力が生まれます。理由に裏付けられた、論理的な文章が作れるようになるでしょう。また、結論を繰り返し伝えることで、結論に対してより同意してもらいやすいという効果もあります。
文章作成やプレゼンの際に役立つことも、PREP法を使うメリットです。文章構成のテンプレートに伝えたい情報を当てはめることで簡単に文章が作れるため、「文章作成に時間がかかる」といった悩みも解決に繋がるでしょう。また、スピーチ力も向上するため、人の前で話す機会が多い人にもおすすめです。
PREP法を意識的に使うことで、情報を整理する習慣が身に付きます。なぜなら、相手に説明する際に、頭の中で自分の考えを一度整理する必要があるためです。情報を整理することで仕事への理解が深まり、スキルアップに繋がることもメリットの1つでしょう。
PREP法には、メリットがある一方、デメリットもあります。使うシーンごとに最適な文章構成を選択するために、デメリットについても知っておきましょう。
PREP法は、最初に結論を述べる構成です。そのため、起承転結を使うような物語などの長文作成には向きません。
「結論」や「理由」に焦点を当てた話し方では、聞き手の「理解」は引き出せても、「共感」「納得」は引き出しにくいこともあるかもしれません。聞き手の共感・納得を引き出すには「具体例」に焦点を当てた話し方をし、聞き手に「実際にこういう事例があるのだから、確かにそうだ」と感じてもらうことが大切です。
PREP法において、事例・体験談などを伝える「具体例」は補足の意味合いが強く、印象に残りにくいものです。そのため、聞き手の共感・納得を引き出したい場合には向いていないとされています。
PREP法は、理由や具体例を明確に説明する必要があります。そのため、慣れるまでは文章作成に時間がかかってしまうことがデメリットです。相手に分かりやすい説明をするためには、日頃からPREP法を使い、文章を作る練習をするとよいでしょう。
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PREP法の主な活用シーンとしては、「上司への報告」や「プレゼン」「就活の面接」が挙げられます。PREP法の活用が効果的な理由について、シーン別に見ていきましょう。
仕事に関する報告を上司にする際、報告資料や口頭説明が長すぎると、「要点が伝わりづらく、不要なやり取りが生じる」「コミュニケーションエラーが生じる原因になる」といった問題が生じる可能性があります。
上司への報告時にPREP法を活用すれば、伝えたい情報を一度に・正確に伝えることができます。不要なやり取りが生まれず、コミュニケーションエラーも防げるでしょう。
プレゼンの際、伝え方に問題があり、提案内容のよさを聞き手にうまく伝えられず、提案内容が採用されなかったという経験がある方もいるかもしれません。
PREP法を活用してプレゼンをすれば、「結論」「理由」「具体例」「結論」の順で、提案内容を論理的に伝えることができます。それにより、プレゼンの説得力が増し、提案内容も採用されやすくなるでしょう。
就活の面接の際、話す内容がきちんと整理できていないと、「何を伝えたいのかわからない」「説明が論理的でない」といった理由から、面接官にマイナス評価されてしまう可能性があります。
就活の面接時にPREP法を活用すれば、志望動機や自己PRなどを、面接官にわかりやすく・端的に伝えることができます。面接という限られた時間の中で、伝えたいことをしっかり話す伝えることにより、面接官からの高評価にもつながっていくでしょう。
この他にも、PREP法はビジネス文書の作成や婚活パーティー、食事会、英語でのスピーチなど、さまざまなシーンで活用できます。
先ほど紹介した3つの活用シーンで、実際どのようにPREP法を活用できるのか、PREP法のテンプレート・例文を紹介します。
上司への報告時に使えるテンプレート・例文を紹介します。
《例文》
【結論(Point)】
〇〇調査の期日を、〇月〇日に変更していただきたいです。
【理由(Reason)】
なぜなら、他業務で優先しなければならない事案が発生したためです。
【具体例(Example)】
具体的には、こちらの不手際により顧客からのクレームが出ており、こちらの対応業務をしております。
【結論(Point)】
そのため、〇〇調査の期日を〇月〇日に変更していただくよう、お願いいたします。
(「welog」を使って作成した例文付きテンプレートはこちら)
情報共有の円滑化に繋がるドキュメント共有ツール「welog」を使えば、上記のようなテンプレートを作れます。PREP法の活用時にお役立てください。
社内でのプレゼンにおける例文を紹介します。
《例文》
【結論(Point)】
新商品Aについての販促キャンペーンの実施を提案します。
【理由(Reason)】
なぜなら、販促キャンペーンを行うことで、新商品の消費者への認知度拡大および、売上拡大や新規顧客の獲得に繋がると考えるからです。
【具体例(Example)】
具体的には、販売店舗でサンプルを配布し、消費者に商品を試してもらいます。また、SNSを活用し、自社商品が抽選で当たる「フォロワー限定キャンペーン」も行います。
【結論(Point)】
このように、消費者に新商品の良さを広め、購買を促すためにも、新商品Aについての販促キャンペーンを行うべきだと考えます。
就活の面接における例文を紹介します。
《例文》
【結論(Point)】
私の強みは責任感です。
【理由(Reason)】
高校時代と大学時代に所属していた野球部でキャプテンを務め、常にチームのために行動してきたという経験があります。
【具体例(Example)】
具体的には、チームで課題に感じていることを仲間同士で話し合うために、定期的にチームミーティングを開き、チームの課題に対して向き合いました。困難な壁にぶつかっている仲間の部員にアドバイスをするなど、技術面だけでなく精神面においてもチームをサポートしました。
【結論(Point)】
こうした経験を元に、私には物事を最後まで投げ出さずにやり遂げる、責任感があると自負しております。
「welog」は、PREP法を使った文書作成や、作成した文書の共有におすすめなドキュメント共有ツールです。テンプレート機能を使えば、PREP法を活用した報告書や日報などのビジネス文書を、クラウド上で簡単に作成できます。クラウド上の情報は、メールや外部チャットと連携してボタン一つで社内外に共有できるため便利です。
Word感覚で使えるシンプルな操作性で、初めてでも直感的に扱えることも特徴。ノート数無制限のフリープランがあり、有料プランも低価格で利用しやすいため、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。
「welog」の無料登録はこちらからできます。
PREP法を使いこなすためには、日常的なトレーニングが大切です。ここでは、PREP法のトレーニング方法を紹介します。
PREP法をトレーニングするためには、「好きなもの」をテーマに練習することがおすすめです。好きなものであれば文章を考えやすく、簡単に練習することができるでしょう。
例えば、「〜が好きです。なぜなら〜だからです。例えば、こんな楽しみ方もできます。だから、~が好きなんです。」といった例文を使って、身近なものを説明してみましょう。
上司への報告や取引先とのコミュニケーションなど、仕事においてPREP法を積極的に活用するとよいでしょう。例えば、メールやチャットを使った報告などの頻度の多い普段の業務で、実際に使ってみるのがおすすめです。ビジネスシーンで積極的にアウトプットすることで、PREP法に基づいた文章作成が身につくでしょう。
伝えたい情報をメモ帳などに書き出し、整理することも、PREP法をトレーニングする方法です。紙に文章として書き出すことで、自身の考えを可視化したり構成をチェックしたりできます。頭の中をきちんと整理しやすくなるため、PREP法の練習に有効です。
PREP法について学ぶために、以下で紹介する本も参考にしてみてください。
論理的な話し方について学べる一冊。相手に伝わりやすい話し方の基本やコツを、わかりやすく簡単に解説しています。この本を読めば、どんな場面においてもPREP法を使い、論理的に話せるようになるでしょう。
カリスマ講師による、説明に関する技術を凝縮した解説書。基本の型である「PREP法」「SDS法」「CRF法」について解説しているほか、日常会話だけでなく、会議・プレゼン・営業などさまざまなシーンごとに当てはめるだけで使える、全80の型が収録されています。イメージが掴みやすいイラスト図解があるのも特徴です。
PREP法とは、わかりやすく伝えるための文章構成です。「SDS法」「DESC法」とは違い、結論をしっかりと主張する場合に適しています。
PREP法は、要点が伝わりやすく、プレゼンや自己PRに役立つというメリットがある一方、使いこなすのが難しく、長文には向かないというデメリットもあります。PREP法を使いこなすには、トレーニングが大切となる点も理解しておきましょう。ここで紹介したテンプレート・例文やおすすめの本も参考に、PREP法をあらゆるシーンで活用してみてください。