こちらのコラムでは、無料で使える情報共有のためのビジネスノートツール「welog(ウィーログ)」の運営スタッフが、ビジネスにおける情報共有やナレッジマネジメントについて発信しています。少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
目次
多くの企業で活用され、在宅勤務の際にも役立つ業務日報。新人研修で学ぶケースも多い一方で、日報の書き方やそもそもの目的がわからず、活用方法に悩む新入社員もいるようです。今回は、新人研修で押さえておきたい業務日報の記入例や基本のテンプレートのほか、記入のポイントをご紹介します。業務に活かすコツや、日報について学べる本についても見ていきましょう。
「welog」は、メンバーのノウハウやナレッジを見える化することで
中小企業の属人化問題を解決するドキュメント共有ツールです。
業務日報とは、「日々の業務内容を記録しておく書類」のこと。企業によっては、「業務日誌」と呼ぶところもあります。
業務日報の基本構成は、大きく「当日の業務内容」と「所感」の2つです。当日の業務内容を記入した上で一1日を振り返り、業務を通して感じた「課題点」や「改善点」「疑問点」などを記載します。
良い日報を作成し、効果的に活用するためには、業務日報の目的を把握しておくことが大切です。
一つ目の目的は、上司やチームメンバーに業務内容の進捗や状況を伝えることです。上司は、部下が「業務で困っていること」や「業務へのモチベーション」などについて、業務日報を通して把握できます。上司が部下の状況を正確に把握できれば、疑問や改善点などについてフォローやアドバイスができるため、双方のコミュニケーションも深まるでしょう。これらのやり取りを通じ、信頼関係を構築するツールとしての役割も果たします。
2つ目の目的は、自分自身で一日の業務を振り返ることです。Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)という「PDCAサイクル」を回しながら、業務の課題や反省などを整理し改善を加え、次の仕事に繋げる意味があります。日報を読み返すことで、日々の反省を活かせるため、個人の成長やスキルアップに役立つでしょう。
業務日報があることで、どのような効果が期待できるのでしょうか。業務日報を作成・活用するメリットを紹介します。
業務日報を作成・活用することにより、情報共有の活性化が期待できます。業務日報があることで、「上司からアドバイスを受けられる」「メンバー間で意見交換の場がもたれる」といった動きが起き、チーム・部署内で活発に情報共有が行われるようになります。情報共有が活性化し、メンバー同士が互いの業務状況を把握できるようになれば、トラブル発生時の迅速な対応につながるでしょう。また、社内にノウハウを蓄積しやすくなることも、業務日報を作成・活用するメリットと言えます。
社員の成長が促されることも、業務日報を作成・活用するメリットの一つです。日報を読み返すことで、「今日は、どのような成果を上げられたか」「今日は何ができるようになったか」「まだできていないことは何か」などを客観的に振り返ることができます。日報作成は日々繰り返される業務のため、良かった点や課題、改善点などを社員自ら発見するということが自然と習慣化します。日報から得た気づきを明日以降の業務に活かすことが続けば、社員の成長が促され、短時間でよりよい成果を上げられるようになったり、自律的に業務に取り組めるようになったりするでしょう。
情報共有が活性化することにより、メンバー間のスムーズな意思疎通が可能になったり、相互協力が促されたりします。その結果、「コミュニケーションコストが下がる」「課題解決のためのアイデアをさまざまな人から得られる」などの効果が期待でき、業務効率化につながるでしょう。日報の活用により社員の成長が促されることもあり、生産性の向上も期待できます。
ここからは、一般的な業務日報に記載するべき項目について、営業職の例文と共に見ていきましょう。
まずは、その日一日の計画と目標を書き出します。目標を書くことで、その日やるべきことを明確にし、業務の効率を上げることができるでしょう。優先度や順番などを把握できるように記載するのもおすすめです。
《営業職の例》
・新規顧客のアポイントメント〇件
・売上〇円
一日の業務内容を具体的に書きましょう。「いつ」「どこで」「何を」「どのくらい行なったのか」を記載するのがポイントです。「時系列に沿う」「業務内容ごとにまとめる」などを意識して内容を記載するとよいでしょう。
《営業職の例》
9:00-10:00 定例会議(社内)
10:00-12:00 A社訪問・〇〇の商談
今日の目標に対する達成度を記載します。目標に対する成果は、主観を交えず事実がわかるよう「◯%達成」や「◯割完了」など、数値を使って表すとよいでしょう。
《営業職の例》
・新規顧客の獲得目標〇件に対して、▲件
・取引先の訪問目標〇件に対して、▲件
自分の成長を把握するために、良かった点やうまくいった点を振り返りましょう。良かった点が思い浮かばない場合、学んだ点を書くのがおすすめです。ただ感想を書くのではなく、客観的な視点を心掛けるとよいでしょう。
《営業職の例》
・N社との商談時に利用した資料が「分かりやすい」と好評だった
・〇〇様との打ち合わせ時の質問内容に対して、自分だけで説明が行えた
一日の業務を通して生まれた課題や反省点を書き出します。課題や反省点を洗い出し、次の業務に役立てましょう。
《営業職の例》
・新製品「〇〇」の紹介にWeb会議を利用したが、思うような反応が得られなかった
・製品「XX」に関する不具体のクレームを受けた
課題や反省点を振り返り、自分なりの改善策を考えます。自分で改善策を考えることで、自身の成長にも繋がるでしょう。
《営業職の例》
・新製品「〇〇」について、実物を確認していただけるよう、訪問を実施する
・製品「XX」のクレーム対応について、早期解決を図るためカスタマーセンター経由ではなく直接担当者に連絡が来るように手配する
最後に、今日の結果を踏まえて、明日の目標を記載しましょう。目標を記載することで、翌日にするべき業務を把握できるため、スムーズに業務が進みます。そのほか、気づいたことや報告したいことがあれば、一緒に記載しておきましょう。
《営業職の例》
・訪問3社(〇〇商品の提案)
・新商品「〇〇」販促プロジェクト資料の作成
「welog」は、メンバーのノウハウやナレッジを見える化することで
中小企業の属人化問題を解決するドキュメント共有ツールです。
日報は、それ自体で成果を生むものではないため、できるだけ時間をかけずに書くことが肝心です。短時間で内容が伝わりやすい日報を書くためには、どのようなことに気をつけるとよいのでしょうか。
日報は、数字や時間などを用いながら具体的に書くことが大切です。例えば、「何時から何時までに〇〇を〇件実施した」「〇〇資料を何割まで作成した」などです。具体的に書くことで、上司が部下の業務成果や進捗状況と、どのような点でつまずいているのか、改善点などを把握することができるでしょう。
日報は、業務の合間で小分けに書くのがおすすめです。日報は業務の終了時に提出しますが、最後にまとめて記載すると内容を思い出すのに時間がかかってしまうため、業務効率が悪くなりがちです。都度メモを取り、最後にまとめることで、内容の記載漏れも防げます。忘れないうちに記載することが、短時間でわかりやすい日報を書くポイントです。
日報に書く項目内容は、読み手がわかりやすいよう箇条書きで記載しましょう。内容を端的にまとめないと、上司や先輩など読み手に内容が伝わりにくく、日報が十分に活用できないことも考えられます。記載する内容が多岐にわたる場合は、見出しをつけて内容を把握しやすくするのもおすすめです。
「新人研修中、日報にはどのようなことを書いたらよいのか」と悩んでいる新入社員の方もいるかもしれません。新人研修期間中の日報は、基本的に通常どおりに作成しますが、新人研修期間中だからこそ押さえておきたいポイントもあります。新人研修期間中に日報を作成する際のポイントを見ていきましょう。
日報は、上司に見てもらう機会のある書類のため、実際にその場で新人研修を受けていない第三3者でも内容が理解できるように記載することが大切です。「何を目的とした研修なのか」「研修内容はどのようなものか」「研修期間はどれくらいだったか」など、研修の概要を記載しましょう。
先ほど、短時間で良い日報を書くポイントとして「数字などを使い、具体的に書く」ことを紹介しましたが、新人研修期間中の日報でも同じことが言えます。具体的には、「日ごとにどれだけ目標達成できたか」「スキルチェックテストの結果はどうだったか」など、研修目標に対する日ごとの達成度やスキルチェックテストの結果を記載しましょう。
新人研修は、学んだ内容を実務に活かすことを目的に実施されるのが一般的です。そのため、「研修で今日学んだことを、明日以降の研修・実務にどう活かしていくか」を記載する必要があります。日ごとの感想をただ述べるのではなく、「研修を通じて得た学び」や「明日以降への活かし方」を自分で考え、記載するようにしましょう。
政府が推進する「働き方改革」や新型コロナウイルス感染症の拡大防止策として、在宅勤務をはじめとする、テレワークを導入する企業が増えています。在宅勤務の場合は上司が直接仕事ぶりを確認することが難しくなります。そのため、業務内容や進捗状況、業務に対する不安などを報告する日報の重要性は、さらに高くなるでしょう。在宅業務の場合、日報は業務の進捗を報告・連絡・相談するほか、上司部下間のコミュニケーションツールの一つとして捉え、活用することが重要です。
日報を効率よく記載するためには、基本のテンプレートを作り、活用するのがおすすめです。実際に活用する際は、業務内容や目的と照らし合わせながら、適宜調整を加えていくとよいでしょう。以下に、基本項目が入った日報の基本テンプレートをご紹介します。
(テンプレートへのリンクはこちら)
日報の効率的な作成には、情報共有ツール「welog」が役立ちます。welogなら、テンプレート機能を使って、日報を簡単に作成することが可能です。また、ボタン一つでメールや外部チャットなどと連携し、上司と情報を共有することができます。フォルダを作成し過去の日報履歴を確認することもできるため、過去にさかのぼって日報を振り返る習慣も身につくでしょう。
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日報をさらに毎日の業務に活かすにはどうすればよいのでしょうか。ここからは、新入社員が日報を業務に活かすコツをご紹介します。
日報を書いて上司や先輩に確認してもらったら、フィードバックの機会を持ちましょう。フィードバックを貰うことで、自分では思いつかなかった解決策などが生まれ、業務の改善に役立ちます。また、「確認してもらう」という前提で日報を書く習慣をつけることで、効果的な日報の書き方や、思考力が身につくというメリットもあるでしょう。
出勤したらすぐその日の予定と目標を日報に記入し、タスクを可視化するとよいでしょう。朝のうちにスケジュールを把握すれば、一日の仕事量を認識でき効率的に時間を使うことに繋がります。また、トラブルやイレギュラーな事態にも対応しやすくなるでしょう。
日報の書き方について学びを深めたい場合や、日報を導入することで会社の利益に繋げたい場合などに活用できる本をご紹介します。
PDCA日報を導入した実例をベースに、地方の中小零細事業者が短期間で売上を倍増させた事例を盛り込んだ実践書です。PDCAサイクルをすばやく回し、利益の出る事業構造に会社を変えていくノウハウをまとめています。一日20分程度で試せるメソッドや日報の基本フォーマットが収録されているため、効果的な業務日報の作成に役立つでしょう。
記載した日報を読み返すことで、仕事の成果に繋げる実践書です。「自分の働き方は正しいのか」「今の仕事で思い描く将来に近づくのか」と悩むビジネスパーソンに向けて、日報コンサルタントが、「克服したい弱点」や「伸ばしたいスキル」に合わせた日報のつくり方・書き方を伝授しています。
文章のプロが教える、ビジネス文書やメール・チャットなどの上手な書き方が身につく実践書。どの文章にも共通する「ノウハウ」や「すぐ実践できる40のルール」、迷わず書ける「逆三角形型」フォーマットを解説しています。日報だけでなく、ビジネスの各場面における「書く力」を身につけることができるでしょう。
業務日報は、上司への進捗報告や自身の振り返りに活用できるため、多くの企業で活用されています。新人研修で学ぶ機会も多いため、業務日報の記載すべき項目例や基本のテンプレート例を参考に、記載するとよいでしょう。在宅業務を行う際は、より正確に日報を作成することで、上司・部下間のコミュニケーションという役割も果たします。短時間で良い日報を書くポイントや業務に活かすコツ、日報の書き方についての本などを活用し、スキルアップや成長へ繋げましょう。 日報の運用に適した情報共有ツール「welog」にご興味のある方は、こちらから詳しい情報を入手いただけます。