週報を社内で効果的に活用できれば、業務が効率化できるほか、企業の生産性向上も期待できます。しかし、週報を単なる業務内容を報告する書類だと考え、その目的については理解していない方も多いでしょう。

今回は、週報の目的や日報との違い、週報の基本テンプレート・フォーマット、書き方の例文をご紹介します。組織で週報を上手に運用する際のポイントや、週報の活用に役立つツールについても見ていきましょう。

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週報（英語：weekly report）とは、業務の進捗状況や振り返りなどを1週間単位で報告する書類のこと。「日報」と並んで、多くの企業で活用されています。

週報の基本構成は、大きく「週の目標・計画」「実際の業務内容・成果」「振り返り・次週の目標」の3つです。週報を書く際は、まずは週の目標を考えることから始めましょう。週の終わりには実際の業務内容や行動を振り返り、「何をどう改善したらよいのか」を考え、次週の目標を立てます。

日報とは、日々の業務内容を報告する書類のことです。日報も週報と同じく、業務の進捗を把握し、振り返りを行うことを目的としています。

しかし、週報と日報は、振り返りの期間と記載する内容の抽象度に違いがあります。日報では、その日の業務に対し、時間刻みで詳細を記載することが一般的です。一方、週報は、1週間の業務を整理した上で、大まかに内容を記載します。一般的に、日報は短期的な業務改善のために活用するものですが、週報は、目標を達成するための中期的な振り返りに活用されます。

関連記事：業務日報の書き方。記入例やテンプレを押さえて効果的な日報を作成しよう

週報は、ただ単に、部下から上司へ業務内容を報告するための書類ではありません。週報を書くことは、企業においてどのような目的やメリットがあるのでしょうか。

週報の目的の1つは、業務の進捗状況を上司やチーム、部署内へ報告・共有することです。上司は週報を通して、「予定通りに業務が進行しているか」や「業務で困っていることがないか」など、部下が抱えている課題点について把握できます。上司は週報を確認することで、課題点などについて迅速にフォローしたりアドバイスをすることができるでしょう。週報を活用すれば、部下と上司のコミュニケーションも深まり、お互いの信頼関係の構築にもつながります。

1週間の活動に対して自分自身で振り返り、今後の業務に活かすことも目的の1つです。Plan（計画）・Do（実行）・Check（評価）・Action（改善）という「PDCAサイクル」を回しながら、継続的に業務改善を行うとよいでしょう。反省や課題点について自分自身で考えることで、個人の成長やスキルアップにもつながります。

週報を振り返ることで、作成者はどの程度目標に対して達成できているのかという自分自身の現在地を把握することができます。読み手側の上司にとっても、部下やチームがどの程度目標を達成できているのかを管理するのに役立つでしょう。チーム全体が目標に向かってどのようなアクションを起こせばよいのかを管理できるため、成果につながりやすくなります。

週報には、業務で得られた多くのノウハウが記載されています。有益な情報は上司が確認するだけでなく社内で共有することにより、ナレッジとして蓄積することが可能です。

得られた情報は、社員教育に活用することもできます。週報を組織内で活用することで、業務の効率化や生産性向上にもつながるでしょう。

ここからは、一般的な週報に記載するべき項目について、書き方の例文と共にご紹介します。

週報を効果的に運用するためには、クラウドツールを活用するのがおすすめです。週報の作成・共有・活用に役立つクラウドツール「welog」で作成したテンプレートと共に、週報の基本フォーマットを見ていきましょう。

（「welog」で作成した週報テンプレートはこちら）

まずは、1週間の計画と達成したい目標を書き出しましょう。時系列に内容を記載することで、1週間の流れを把握することができます。「目標の達成のために、1週間どのような動きをすればよいのか」という行動計画を明確に記載するのがポイントです。

《例》

・△△株式会社へのプレゼン資料作成

・新規顧客の獲得　〇件

1週間の業務内容を分かりやすくまとめます。内容を具体的に記載すると、自分が見返すときだけでなく、上司が確認する際にも読みやすいでしょう。

《例》

・〇月〇日（〇）　新商品Aの内容精査のため、△△株式会社へ訪問

・〇月〇日（〇）　△△株式会社のコンペに出席

週の初めに立てた計画や目標に対して、進捗状況やどのくらい目標が達成できたのかを記載します。目標に対する成果は、主観を交えずに事実がわかるように記載するとよいでしょう。 

《例》

・新規アポイントの獲得目標◯件に対して、結果△件

・新商品Aを〇〇会社へプレゼンし、△△円の受注が確定

1週間を振り返り、反省点や課題について記載しましょう。課題だけでなく、課題に対する解決策や良かった点についても一緒に記載しておけば、振り返りを次週以降の業務改善につなげていくことができるでしょう。

《例》

・新製品「〇〇」について実物を見ていただくためサンプルを作成し、〇〇会社へ確認してもらう

・〇〇株式会社との商談時に利用した資料が、「分かりやすい」と好評だった

最後に、次週の計画や目標を記載します。その際には、次週の行動計画をなるべく具体的に定めておくことが大切です。1週間の振り返りと次週の目標設定を繰り返し行うことで、業務品質の向上が期待できるでしょう。

《例》

・新規顧客を獲得するための施策について検討し、内部会議で提案する

・合同企業説明会に、〇〇会社〇〇部長と共に参加する

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週報を社内で有効活用できれば、業務の効率化や生産性向上が期待できます。週報を上手に運用するには、どのようなポイントに気をつければよいのでしょうか。

週報は、数字や日付といった定量情報を使って、内容を具体的に書くとよいでしょう。例えば、「何月何日何曜日に、〇〇を〇件実施した」「プレゼンで使う資料を何割まで作成した」といった具合です。定量情報を記載することで、上司が部下の進捗状況や成果などについて把握しやすくなります。

週報は、上司など管理者が読みやすいように作成することもポイントです。5W3Hを意識しながら、事実をシンプルにまとめて記載しましょう。5W3Hとは、When（いつ）、Where（どこで）、Who（誰が）、Why（なぜ）、What（何を）、How（どのように）、How many（どのくらい）、How much（いくら）を意味する言葉です。5W3Hに沿って箇条書きで記載すれば、週報の内容が上司に伝わりやすくなるでしょう。

実施した業務内容を記載するだけでは、業務の成果を上司に正確に伝えることができません。週報は計画に対する結果だけでなく、達成度や課題まで記載するのがポイントです。さらに、課題に対しての自分なりの改善策を記載することで、自身の成長にもつながるでしょう。

次週の目標を立てることも、ポイントの1つです。目標を意識した働き方につながるほか、上司がチーム全体の動きを管理しやすくなります。次週の目標を立てる際は、今週の目標の達成度を考慮した上で、現実的な目標を立てるとよいでしょう。

週報を業務に役立てるためには、上司からフィードバックを貰うことが大切です。週報を書いて上司に確認してもらったら、フィードバックの機会を設けましょう。フィードバックを貰うことで、自分では思いつかなかった課題に対する解決策などが生まれ、業務の改善に役立ちます。上司が確認しやすい週報を作成するという意識も生まれるため、週報の効果的な書き方についての思考力が養われるといった効果も期待できるでしょう。

「新人研修中は、どのようなことを週報に書いたらよいのか」と迷う新入社員の方もいるかもしれません。新人研修期間中の週報は、基本的に通常どおりに作成しますが、新人研修期間中だからこそ押さえておきたいポイントもあります。新人研修期間中に週報を作成する際のポイントを見ていきましょう。

週報は、上司に見てもらう機会のある書類です。そのため、実際にその場で新人研修を受けていない第三者でも研修の概要が理解できるように記載することが求められます。「何を目的とした研修なのか」「研修内容はどのようなものか」「何日間の研修だったのか」など、研修の概要を記載しましょう。

先ほど、週報を運用するポイントとして「定量情報を記載する」ことと「計画に対する達成度や課題まで記載する」ことを紹介しましたが、新人研修期間中の週報でも同じことが言えます。具体的には、「一週間で見た場合、研修目標の達成度はどの程度だったか」を数値として記載しましょう。また、研修中にスキルチェックテストを受けた場合には、その結果も記しておくことが大切です。

新人研修は、学んだ内容を実務に活かすことを、主な目的として実施されます。そのため、週報には「研修で学んだことを、今後にどう活かしていくか」を記載する必要があります。日ごとの感想をただ述べるのではなく、「研修を通じて得た学び」や「今後の実務への活かし方」を自分で考え、記載するようにしましょう。

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週報とは、業務の進捗状況や振り返りなどを1週間単位で報告する書類のことです。週報を書く目的を理解し、組織で効果的に活用できれば、業務の効率化や生産性向上といった効果が生まれるでしょう。

週報の基本テンプレートやフォーマット、書き方例文を参考にすれば、効率的に日報を作成することが可能です。週報に記載されている有益な情報を社内で共有・活用し、業務の効率化を目指しましょう。