こちらのコラムでは、無料で使える情報共有のためのビジネスノートツール「welog(ウィーログ)」の運営スタッフが、ビジネスにおける情報共有やナレッジマネジメントについて発信しています。少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
目次
これまで紙ベースで運用してきた書類を「電子化」し、紙の使用を極力なくす「ペーパーレス」。「ペーパーレス化することで、どのようなメリットがあるのか」「どのような方法で、ペーパーレス化していけばよいのか」など知りたい方もいるでしょう。そこで今回は、ペーパーレス化の定義やメリット、ペーパーレス化する際のポイントなどを紹介します。
「welog」は、メンバーのノウハウやナレッジを見える化することで
中小企業の属人化問題を解決するドキュメント共有ツールです。
ペーパーレス化とは、「紙を使わずに」または「紙の使用を極力減らして」業務を進めることで、単に「ペーパーレス」と呼ばれることもあります。具体的には、ビジネスにおけるさまざまな場面で使われている紙ベースの書類を、電子化し活用することがペーパーレス化にあたります。
ペーパーレス化の対象となる書類や活用場面について、紹介します。
ペーパーレス化の主な対象は、帳簿類や企画書・報告書などの「ビジネス文書」や、会議の際に使用する「会議資料」です。この他、企業によっては商品・サービス紹介の「パンフレット」や、チラシ・ポスターといった「販促物」なども、ペーパーレス化の対象となります。
業務で使用する書類の大半はペーパーレス化が可能ですが、「e-文書法」により、対象から外れる文書もあります。緊急時など即座に閲覧する必要がある「船舶に備える手引書」や、現物性が高い「免許証」「許可証」などはペーパーレス化できませんので、注意しましょう。
ビジネスにおいては、「会議」や「日常の連絡」「クライアントに渡す資料」をペーパーレスにすることができます。
会議資料を「紙」から「データ」に変えることにより、会議をペーパーレス化することが可能です。紙資料を使わない会議のことを、「ペーパーレス会議」と呼びます。コロナ禍によるテレワークの普及を受け、ペーパーレス会議は新しい会議の方法として注目されています。
(関連記事:『ペーパーレス会議で業務効率化。失敗しない始め方や導入メリットとは』)
日常の連絡をペーパーレス化することも可能です。例として、本社・支店間の業務連絡を「Fax」から「メール」や「チャット」に変更するという方法があります。
クライアントに渡す資料のペーパーレス化も可能です。例えば、これまで紙ベースで作っていた「契約書」や「見積書」「請求書」などを、電子化し「データ」として渡すことができます。
ペーパーレス化は、企業の成長にとって重要な施策の一つとされています。ペーパーレス化を促進することで、「コスト削減」や「業務効率化」といった効果が期待できるからです。近年では、CSR(社会的責任)という面でも、その重要性が増しています。
ペーパーレス化には、主に以下の4つのメリットがあります。
●書類の印刷や保管などにかかるコストを削減できる
●さまざまな業務を効率化できる
●企業としての社会的責任を果たせる
●テレワークに対応しやすい
それぞれの項目について、みていきましょう。
ペーパーレス化のメリットとして実感しやすいのが、「紙」に関連したさまざまなコストの削減です。例えば、書類の印刷にかかる、「用紙代」「インク代」「プリンターのメンテナンス費用」などを大幅に削減できます。文書の保管については、最低限のスペースのみでまかなえるようになるため、場合によっては、オフィスを縮小して賃料を下げることもできるでしょう。文書を破棄する際の「シュレッダー業務」や「文書廃棄業者への依頼」も不要となるため、これらにかかるコストも削減可能です。
ペーパーレス化することで、文書の「作成・修正」「検索」「回覧・承認」「管理・保管」といったさまざまな業務を効率化できます。
例えば、文書の作成・修正については、作業を一から行う必要がなくなり、「テンプレートを活用し、必要な部分だけ変更する」「修正が必要な箇所のみ書き換える」など、最小限の工数で完成させることが可能です。紙資料には「書類を探すのに時間がかかる」というデメリットがありますが、電子化したデータであれば「キーワード検索」により、必要な情報に最短・最速でアクセスすることができます。稟議書を始めとする社内文書の「回覧・承認」では、一人ひとり手渡しで回覧する必要がなくなり、承認がおりるまでにかかる時間を大幅に短縮できます。資料の「ファイリング」や「キャビネットへの保管」といった管理・保管にかかる業務も簡略化できるでしょう。
このようにさまざまな業務を効率的に行えるようになることにより、結果として、生産性の向上にもつながっていきます。
近年、企業には「CSR(企業の社会的責任)」が求められています。CSRは、「Corporate Social Responsibility」の略で、「企業として利益を追求するだけでなく、事業活動を通じて社会に貢献していく責任」を意味します。コンプライアンスの遵守や地域貢献活動など、CSR活動は多岐に渡りますが、環境保護やSDGsもCSRに含まれます。ペーパーレス化を進めることにより、紙の原料である「木」を守ることができます。そのため、ペーパーレス化は、環境保護やSDGs(持続可能な開発目標)の面で、企業としての社会的責任を果たすことにつながるのです。また、ペーパーレス化の取り組みを社外にアピールすれば、「環境問題」や「サステナビリティ」に積極的な企業と認識され、企業イメージも向上するでしょう。
ペーパーレス化を図れば、仕事で使用する資料・書類を、「いつでも」「どこでも」パソコン上で確認できます。その結果、出社して働く必要性が減り、テレワークを推し進めやすくなります。「テレワーク」と「ペーパーレス化」は関連性の高いものであるため、テレワーク成功のためには、ペーパーレス化が不可欠だと言えるでしょう。
(関連記事:『テレワークに不可欠な「ペーパーレス化」のメリットや導入時のポイントを紹介』)
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ペーパーレス化には、「システムの導入・運用コストがかかる」「システムや機器の故障により、業務が滞る」「PCスキルによっては、ペーパーレス化に不便を感じるメンバーもいる」といった課題もあります。そのため、短期的な視点では「メリットよりもデメリットの方が大きい」と感じる企業もあるかもしれません。しかし、ペーパーレス化によって得られるさまざまなメリットをふまえると、長期的な視点では、デメリットよりもメリットの方が大きいと考えられます。ペーパーレス化するかどうか検討する際には、「短期的な視点」だけでなく「長期的な視点」でも考えるようにするとよいでしょう。
では、実際にペーパーレス化を進めるにはどのような順に何を行うとよいのでしょうか。ペーパーレス化を実現するための方法を、順を追って紹介します。
ペーパーレス化で何を実現したいのかによって、ペーパーレス化の対象や運用ルールなどが変わってきます。そのため、まずは何のためにペーパーレス化をするのか、「ペーパーレス化の目的」を明確にする必要があります。その際、「コスト●%削減」「生産性▲%向上」といったペーパーレス化に伴う数値目標も併せて定めておくことをおすすめします。
ペーパーレス化を完全に実現するためには、ある程度の時間・労力がかかるため、「まず何からペーパーレス化していくのか」優先順位をつけることが重要です。優先順位を明確にするため、ペーパーレス化の対象とする「業務」や「文書」を定めましょう。どの業務・文書から始めるか迷う場合には、「ペーパーレス化による効果が実感しやすそうなところ」から始めていくことをおすすめします。
ペーパーレス化の目的や対象とする業務・文書が決まったら、次に運用ルールを策定します。データの「保存方法」や「保存期間」「アクセス権限」などを定めましょう。保存期間が法的に定められている文書については、紙資料と同様に、「●年経過したしたものは破棄」といったルールを決めておくと、その後の運用がしやすくなります。
ペーパーレス化を推進していくためには、「情報共有ツール」を始めとする各種ツールの導入が不可欠です。ペーパーレス化の目的や導入・運用にあたりかけられるコストなどを考慮した上で、自社にあったツールを選びましょう。具体的な選定ポイントとしては、「費用対効果」や「ツール同士の連携」などが挙げられます。
(関連記事:『ペーパーレス化に欠かせないツールの種類。選び方や導入手順、注意点をご紹介』)
運用ルールや使用するツールなどが決まったら、従業員や取引先に周知します。「いつから」「どの書類・やり取りを」ペーパーレス化するのか知らせましょう。特に取引先への連絡は、混乱を避けるため、「一定の移行期間を設ける」「ペーパーレス化に移行する1~2カ月前に通知する」といった配慮をする必要があります。
従業員に対しては、移行前に、「ガイダンスの実施」や「対応マニュアルの配布」などを行い、円滑に導入できる体制を整えておくとよいでしょう。
「これから新たに作成する文書」だけでなく、「過去に作成した文書」も電子化することで、ペーパーレス化のメリットをより実感しやすくなります。ペーパーレス化を始めるタイミングで、「過去に作成した文書の電子化」にも併せて着手しましょう。
実際にペーパーレス化を図る中で、「●●の場合には、どうしたらよいのか」「▲▲が原因で、ペーパーレス化がうまくいかない」といった、当初想定していなかった疑問・課題が浮かび上がってくることもあるでしょう。そのような場合には、必要に応じて運用ルールを見直す必要があります。現場の声を聞きながら、運用ルールを見直しましょう。
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ペーパーレス化を進める際には、どのようなことを意識するとよいのでしょうか。ペーパーレス化する際の4つのポイントを紹介します。
実際にペーパーレス化に取り組み始めたとしても、社内全体で「ペーパーレス化を進めていこう」という意識が高まっていないと、思うように進みません。社内の意識を高めるためには、「ペーパーレス化の必要性」を全員が認識することが重要となります。経営陣や従業員など全てのメンバーから理解を得られるよう、ペーパーレス化により見込める「コスト削減」や「生産性の向上」などの効果について、具体的な数値や、他社の成功事例などを交えて説明するとよいでしょう。
部署やチームによって、業務で扱う文書の種類はさまざまです。ペーパーレス化の必要性の理解に社内で温度差が見られたり、ペーパーレス化のメリットをすぐには実感しづらい部署があったりすることもあるでしょう。そうした状況で、「全社的に」「一斉に」ペーパーレス化を始めた場合、ペーパーレス化が思うように進まない可能性があります。
そこで重要となるのが、「部分的」「段階的」なペーパーレス化です。まずは、ペーパーレス化のメリットを感じやすい「部署・チーム」「文書」を対象に運用を開始し、ペーパーレス化のメリットを実感できてから、対象を「全社」「全ての文書」へと広げていくとよいでしょう。
押印が必要な「契約書」や従業員に手渡ししている「給与明細」など文書の種類によっては、ペーパーレス化する方法がすぐに思いつかないものもあるかもしれません。そうした場合には、ITに詳しい従業員に相談したり、他社の事例を参考にしたりして、ペーパーレス化できる方法を考えることが重要です。「どうしたらペーパーレス化が実現するのか」という前提で考えるとよいでしょう。
ペーパーレス化を進める際に懸念されることが多いのが、「セキュリティ面」です。ペーパーレス化することで、書類の置き忘れ・紛失のリスクはなくなるものの、しっかり対策を行っていないと情報漏えいにつながる可能性があります。セキュリティ対策の一環として、「データへのアクセス権限の設定」やネットワーク接続時の「フリーWi-fiの利用禁止」といった対策を講じることが重要です。
ペーパーレス化を図ることで、「コスト削減」や「業務効率化」といったさまざまなメリットが得られます。実際にペーパーレス化を促進する場合は、「目的の明確化」や「対象とする業務・文書の決定」といったフローに沿って進めていくことが重要です。「ペーパーレス化の必要性を全員が認識する」「部分的・段階的にペーパーレス化する」などのポイントを押さえた上でペーパーレス化を進め、業務効率化や生産性向上に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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