こちらのコラムでは、無料で使える情報共有のためのビジネスノートツール「welog(ウィーログ)」の運営スタッフが、ビジネスにおける情報共有やナレッジマネジメントについて発信しています。少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
目次
情報共有しない上司がいることで、業務の課題を抱える部下もいるのではないでしょうか。適切な情報共有が行われない企業やチームでは、業務効率の低下や属人化、団結力が生まれにくいなど、さまざまな問題が生じます。今回は、情報共有しない上司の思考や共有しない職場が抱えるリスク、情報共有を円滑化するための対処法などをご紹介します。
「welog」は、メンバーのノウハウやナレッジを見える化することで
中小企業の属人化問題を解決するドキュメント共有ツールです。
チームや社内での情報共有は、「業務の効率化」や「生産性の向上」などのさまざまなメリットが得られるなど、企業にとって重要なものです。チームやメンバー間のコミュニケーションが活性化し、業務のパフォーマンスを上げることにも繋がるでしょう。
しかし、実際には「情報共有しない上司がいる」ことが課題になっているチームもあるようです。情報共有をめぐる課題を解決するために、まずは、「情報共有しない上司」の思考について、見ていきましょう。
情報共有しない上司は、その必要性を理解していないことが考えられます。このような上司は、チーム内における情報共有の重要性や、情報共有することによるメリットなどを十分に把握できていないでしょう。そのため、情報共有自体を「無駄な作業」と感じてしまう傾向があります。これにより、結果的に情報共有が滞ることに繋がっているのかもしれません。
そもそも、部下に情報共有をする気がない上司もいます。「仕事をチームで行う」という意識が低く、情報共有に自分の時間を割くことを嫌うでしょう。
また、上司が考えている情報共有の優先度が低い場合も考えられます。自分のやり方や価値観を変えたくないという思考を持つ上司に多く、新しい方法やシステムに抵抗感を抱きがちです。
部下と上司の信頼関係が構築できていないため、情報共有されない場合もあります。「自分で仕事をやるほうが早い」「部下に仕事を任せるとミスが起きるのではないか」など、上司が部下に仕事を任せられないと考えるケースです。また、「自分の知識やノウハウを部下に教えたくない」と考える上司もいます。このような状況では、部下も「ミスを報告すれば上司に怒られるかもしれない」と考え、情報共有できない雰囲気になっているケースも考えられるでしょう。
実際には十分に情報共有できていないのに、「共有しているつもり」の上司もいます。例えば、情報はデータ化してすぐに確認・共有できる状態にしておくのが理想ですが、部下への連絡は「口頭で伝えるだけ」の場合などです。本人の中では十分に情報が共有されていると考えているため、情報共有に対する周りとの認識に差異があります。また、「何を共有すればよいのか」を理解できていないため共有する情報にムラがあり、結果的に「情報共有できない上司」ととらえられてしまう場合もあるでしょう。
上司が目の前の仕事に追われがちで、情報共有の意義は理解していても、情報共有する時間がない場合も考えられるでしょう。情報共有をせずにチームで仕事を分散できないために、常に上司だけが忙しく、さらに情報共有の優先度が下がる、といった悪循環になっていることが考えられます。
情報共有が適切に行われないと、どのような問題が生じる可能性があるのでしょうか。ここからは、情報共有のない職場が抱えるリスクについて解説します。
情報共有が円滑に行われないと、情報を探す手間がかかったり、一から情報を作成・整理しなければならなかったりするため、業務効率が低下します。また、人によって言っていることが違ったり、認識にバラつきが生じやすくなったりするため、状況確認や認識の統一に時間を取られる場合もあります。業務が非効率になることで、成果も上がりにくくなるため、生産性の低下にも繫がるでしょう。
情報共有ができていないと、社員間でノウハウの偏りが生まれます。これにより、特定の社員しか行えない業務が存在する「属人化」が起こりやすくなります。属人化が進むと、「属人化された業務がボトルネックとなり、部署内や社内の業務が停滞する」「担当者が欠勤・休職などした場合に品質が担保できない」といった事態を招くことがあります。
また、迅速にマニュアルやノウハウが共有されないと、現時点での最もよいやり方である「ベストプラクティス」を社内で共有できなくなります。そのため、業務の成果が上がりにくく、機会損失に繋がることも考えられるでしょう。
情報共有に課題のある職場は、人間関係が希薄で社員同士のコミュニケーションも少ない傾向にあります。このような職場では、「お互いの考えていることが分からない」「相談しにくい」といった雰囲気が生じがちとなり、信頼関係が構築されにくくなるでしょう。閉鎖的で風通しの悪い職場では、チームとしての団結力も生まれづらくなります。
情報共有に課題のある職場は、人間関係が希薄で社員同士のコミュニケーションも少ない傾向にあります。このような職場では、「お互いの考えていることが分からない」「相談しにくい」といった雰囲気が生じがちとなり、信頼関係が構築されにくくなるでしょう。閉鎖的で風通しの悪い職場では、チームとしての団結力も生まれづらくなります。
「welog」は、メンバーのノウハウやナレッジを見える化することで
中小企業の属人化問題を解決するドキュメント共有ツールです。
では、上司・部下間やチーム内での情報共有を円滑化させるために、どのようなことができるのでしょうか。ここからは、個人でできる方法をいくつかご紹介します。
情報共有しやすい環境をつくるためには、お互いの歩み寄りが必要です。挨拶など、日頃からできるコミュニケーションを積極的に行うことで、話しやすい雰囲気をつくるとよいでしょう。上司も一人の人間です。日頃からこまめなコミュニケーションを取り信頼関係を築くことが、円滑な情報共有に繫がることもあるでしょう。
情報共有しない上司に対しては、「自ら積極的に、情報共有や相談をする」姿勢でいることも大切です。業務の進捗遅れやクレーム・トラブルは、隠すことなく早めに上司に共有してアドバイスや判断を仰ぎ、協力してもらうとよいでしょう。
また、上司が忙しくチーム全体を見渡すことができないために、情報共有が疎かになってしまっているという状況も考えられます。部下から上司に対し、「〇〇の進捗について、状況を伺えますか」「△△の案件について、引き取れる業務はありますか」など、こちらが知りたいと考えている状況を、伝えてみるのも効果的でしょう。
情報共有に対しての反応が得られないと、共有した側はその有益性を実感しにくくなります。その結果、情報共有の頻度も減り、大切な情報が共有されないという事態が起こるかもしれません。情報が共有されたら、なるべく早くそれに対して返答するなど、リアクションを行うことが大切です。これにより、情報共有という行動の強化に繫がるでしょう。
また、リアクションをしっかり行うと、次の行動への指示やアドバイスも受けられ、スムーズな業務進行にも繋がります。共有者に対して感謝の言葉を述べることも、情報共有が円滑化するチームの雰囲気づくりに大切となるでしょう。
情報共有を円滑化させるためには、組織やチームの意識や環境づくり以外に、ツールを活用した情報共有をしやすい仕組みづくりも大切です。ここからは、情報共有のための仕組みづくりをステップごとにご紹介します。
社内で共有するべき情報の種類によって、情報共有の方法も変わります。まずは、社内の業務内容を見直し、情報の種類を整理することから始めましょう。情報には主に、タスクの期限や休みの連絡など一時的に活用される「フロー情報」と、マニュアルや議事録など、蓄積し社内資産としていく「ストック情報」の2種類があります。情報の分類を行うことで、今まで共有されてこなかったもののうち、「共有が必要なもの」とそうでないものが整理できるでしょう。課題が具体的になることで、アプローチもしやすくなります。
なお、「情報共有の種類」については、以下の記事を参考にしてください。
次に、組織やチーム全体で、情報共有に対するルールを決めましょう。円滑な情報共有のためには、「何を・いつ・どのように」共有すればよいのかなど、情報共有に対するルールが大切です。
また、情報共有を習慣化するためには、情報共有のルールはシンプルな方がよいでしょう。例えば、「業務の進捗を退勤時に行う」「ファイルはわかりやすくカテゴリー分けする」などです。社員が運用ルールについて共通認識を持つことで、情報共有が活性化されるでしょう。
情報共有したい情報の種類や運用ルールが決まったら、情報共有のためのツール導入を検討するとよいでしょう。情報共有ツールのメリットは、オンライン上で誰でも簡単に情報を発信・検索・共有などができる点です。
情報共有ツールは、さまざまな機能を備えたサービスがあります。例えば、社内のコミュニケーションや連絡を主とする「チャットツール」や、プロジェクト管理ができる「タスク管理ツール」、社員のスケジュールを閲覧・管理できる「カレンダーツール」などです。社内の課題や情報共有したい内容に合わせて、適したツールを選択しましょう。
情報共有しない上司に情報共有してもらうためには、上司との信頼関係を構築したり、自ら率先して情報共有したりすることが大切です。また、情報共有の重要性や業務効率化など、得られるメリットについて理解してもらうことも、必要となるでしょう。情報共有しない状況にならないために、情報共有の運用ルールを定めたり、ツールを導入したりして、情報共有の仕組みを整備してはいかがでしょうか。