こちらのコラムでは、無料で使える情報共有のためのビジネスノートツール「welog(ウィーログ)」の運営スタッフが、ビジネスにおける情報共有やナレッジマネジメントについて発信しています。少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
目次
社内にあるナレッジなどを集約・統一してマニュアルなどに落とし込む「業務標準化」を行えば、業務効率化や属人化防止などの効果があり、企業の成長にも繋がります。今回は、業務標準化の重要性やそのメリット、標準化を進める手順やコツをご紹介します。業務標準化の推進に役立つツールの導入事例についてもご紹介しますので、参考にしてください。
「welog」は、メンバーのノウハウやナレッジを見える化することで
中小企業の属人化問題を解決するドキュメント共有ツールです。
業務においての標準化(英語:standardization)とは、誰でも同じ業務ができるように作業内容を統一し、最適化することです。業務標準化を進めるためには、業務の流れを可視化し、誰もが速やかに把握できる状態にする「業務フローの標準化」と、成果が出ている方法を業務マニュアルや手順書、業務のフロー図などに落とし込み、誰が行っても業務品質が保たれる状態にする「タスクの標準化」の両方を行う必要があります。
業務の標準化を行えば、ある業務を特定の社員のみができる状態である「属人化」の防止につながるほか、企業の生産性向上も期待できるでしょう。
業務標準化は、業務効率や業務品質の向上を主な目的としています。
慣れない業務を急にすることになり、何をどうやるべきかがわからず、業務が滞った経験のある方も少なくないでしょう。また、人にはそれぞれ向き不向きがあるため、業務を行う人の適正・スキルによって、成果物の品質にバラつきが生じる可能性があります。
業務標準化は、こうした状況を回避・改善するために実施されるものです。業務標準化を進める際は、現場の理解を得られるよう、「何のために業務標準化を実施するのか」を社内に周知しましょう。
業務を標準化することは、企業にとってなぜ重要なのでしょうか。業務が標準化されていないと、以下のような問題が生まれる可能性があります。
・一時的な担当者の不在などイレギュラー時に対応できない
・作業者によって業務品質にバラつきが生じる
・確認作業に時間がかかったりミスが生じたりする
・業務の引き継ぎや社員教育のための工数・コストがかかる
・品質や進捗などを管理できない
このように、さまざまな問題が生じると、企業経営への悪影響も懸念されます。あなたの働く会社では、このような問題が起こっていないでしょうか。こうした問題を生じさせないためにも、業務標準化に取り組んでいくことが大切です。
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業務を標準化することにより、企業にとってどのようなメリットが期待できるのでしょうか。業務効率化のメリットは、以下の5点です。
業務効率化のメリット
・業務の効率化
・業務品質の向上
・属人化の防止
・管理の容易化
・評価基準の明確化
メリットについて、1つずつ見ていきましょう。
業務標準化を行えば、業務の作業方法を各自で確認できるようになるため、業務手順を調べたり、周囲に相談したりする時間・手間が削減可能です。そのため、チーム全体としての業務効率化につながります。また、新入社員への教育や担当者への引き継ぎなども、スムーズに行うことができるでしょう。
誰でも同じ品質で業務が行えるようになることも、業務標準化のメリットです。業務のやり方やルールが統一されるため、作業のミスや漏れを減らすことができます。個々の能力や知識量による偏りが少なくなり、全社員が一定のレベルで業務を行うことができるでしょう。
属人化を防止し、特定の社員の負担が軽減できることも、メリットの1つでしょう。業務が標準化され、業務手順を全員が理解できるようになると、担当者が異動したり休職したりした場合でも、業務の引き継ぎをスムーズに行えます。担当者の病欠などイレギュラー時においても、他の社員で対応できるため業務の遅延が起こりにくいでしょう。担当者が他業務で忙しい場合には、他の社員に作業を振り分けて仕事を回すことも可能です。
業務の進捗状況を把握しやすくなるなど管理が容易化できることも、業務標準化のメリットです。管理者は、作業が業務全体の中でどのプロセスにあるのかや、順調に進んでいるかどうかを判断できるようになります。トラブルが発生した場合にも、迅速に対応策を講じることができるでしょう。
作業内容が統一されているため、社員の評価基準が明確になります。ノウハウやスキルの差が生まれにくくなるため、社員が成果を得るためにかかった時間を横並びに比較できるようになるでしょう。正当な評価に繋がるため、社員のモチベーションアップにも繋がります。
業務標準化を進める際には、以下の3つのデメリットに注意する必要があります。
業務標準化のデメリット
・業務標準化に適さない業務もある
・従業員のモチベーション低下につながることがある
・業務改善が滞る可能性がある
デメリットについて、1つずつ見ていきましょう。
まず注意が必要なのが、「業務標準化に適さない業務もある」ということです。
高度な専門性が必要とされる業務や従業員の人柄に左右されがちな業務については、誰もが理解・実施できる段階まで業務標準化するのが難しく、業務標準化してしまうとかえって悪影響がもたらされる可能性があります。特に注意したいのが、「特定の従業員が専門性の高い業務に集中して取り組むことで、業務の質や従業員エンゲージメントの向上が期待できる」「社員の人柄次第で売上が左右されやすい職種なので、人柄が魅力的な従業員に業務を一任した方が高い売上が見込まれる」といった場合です。
こうした状況においては、業務標準化を進めるメリットよりも、属人化を維持するメリットの方が大きいでしょう。そのため、全ての業務を業務標準化しようとするのではなく、「業務標準化を進める必要があるのは、どの業務か」を慎重に見極めることが重要です。
業務標準化によりマニュアル化された業務は、単調なルーチンワークとなりやすいです。ルーチンワークを好むかどうかは従業員次第ではありますが、ルーチンワークを苦手・不得意とする従業員が多い場合には、単調な業務に対する不満の声が現場からあがってくる可能性があります。単調な業務への不満が、従業員のモチベーション低下につながることもあるでしょう。
ひとたび業務標準化された業務フローは、誰かがあえてそれを変えようとしない限り、日々の業務で機械的に繰り返されていきます。そのため、業務見直しのきっかけを見失い、業務改善が滞ってしまう可能性があります。「マニュアル通りに進めること」が重んじられる組織風土がある企業では、従業員から改善案が提示されたとしても、内容変更をためらってしまうケースもあるかもしれません。業務標準化にこだわりすぎるあまり、組織として変化を起こしづらくなる可能性があることに注意が必要です。
しかし、これらのデメリットは、業務標準化のコツを押さえておくことにより、ある程度解消することが可能です。業務標準化のコツについては、このあと紹介します。
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組織で業務標準化を進めるためには、どのような手順を踏めばよいのでしょう。ここからは、標準化の進め方について、コツを交えて解説します。
まず最初の手順となるのは、業務内容や課題などを洗い出し、組織の現状を把握することです。「属人化している業務はないか」「無駄な作業工程はないか」「業務にかかる時間や業務量はどのくらいなのか」などを確認することが大切です。管理者だけでなく実際業務を行っている担当者などに、丁寧にヒアリングを行いながら進めるとよいでしょう。
次に行うのが、どの業務を標準化するのか選定することです。現状把握で分かった課題などを踏まえた上で、どの業務を標準化すべきなのかを決めましょう。
標準化を進める際は、優先順位を決めることがポイントです。例えば、「属人化している業務」や「生産性が上がらない業務」、「管理者が把握できていない業務」などが優先すべき業務となるでしょう。そのほか、毎月発生する業務や予算に関する業務も、これに該当すると言えます。業務の重要度や緊急度なども考慮しながら、標準化すべき業務を決定するのがおすすめです。
次に、業務を整理します。標準化すべきと決まった業務について、工数や作業頻度、作業の手順、作業にあたる担当者の人数、成果物やその基準などを、定量化しましょう。例として、「◯◯業務は、以下の5つのスキップで進める」「△△報告書は、対応完了後3営業日以内に作成する」といったことが挙げられます。
業務内容を整理したら、簡単なフローチャートを作成し、業務フローが最適なものとなっているかを確認します。「不要な作業が含まれていないか」「もっと、効率的な作業手順がないか」といった観点から、業務フローの見直し・再設計をしましょう。
次に必要なのが、業務の流れの「見える化」「マニュアル化」です。見直した業務フローをもとに、業務マニュアルを作成しましょう。
活用できそうな業務マニュアルやマニュアルテンプレートがある場合には、それをベースに、見直し後の業務フローを記載していきます。業務マニュアルを一から作成する場合には、「構成」や「目次」を考えるところから始めましょう。
業務マニュアル作成時のコツは、最初から完璧に仕上げようとはせず、少しずつブラッシュアップしていくことです。テキストだけでなく画像や動画を用いれば、よりわかりやすいマニュアルを作成できるでしょう。また、マニュアル通りに進まないこともあるため、トラブルなどを想定しておくことも大切です。対応策について記載したマニュアルについても、一緒に作成しておくとよいでしょう。
マニュアル作成手順の詳細については、こちらの記事が参考になります。
業務の標準化は、マニュアルを作ることがゴールではありません。マニュアルを最適化し企業の生産性向上に繋げるため、定期的に社員のヒアリングを行い、見直したり改善を加えたりすることが重要です。
実際にマニュアルを使用し業務を行った結果、課題が見つかるケースも多いでしょう。Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Act(改善)といった「PDCAサイクル」を回しながら、課題を解決していくのが大切です。
「welog」は、「必要な情報を簡単に残せる。必要な情報が簡単に見つかる」をコンセプトとする、チームのための情報共有ツールです。シンプルでわかりやすい操作画面で直感的に操作することができるため、マニュアルや社内wikiなどのナレッジデータベースの作成に活用すれば、業務の標準化を推進できます。
マニュアルの作成と更新は、クラウド上にある「ノート」を編集するだけで簡単に行うことが可能。高度な検索機能を使って迅速にマニュアルを探すことができ、いつでも最新の状態で情報を共有・活用することができます。30日間全ての機能を無料で試せる無料のトライアルがあるのも魅力です。業務標準化の推進に役立つ「welog」を、この機会にぜひ使ってみてはいかがでしょうか。
「welog」の無料登録はこちらからできます。
ここからは、実際にwelogを導入して業務の標準化に取り組んでいる事例を2つご紹介します。
中小企業の給与計算や労務相談、社会保険・雇用保険手続きなどの業務を行っている「つくし社会保険労務士事務所」の事例を見ていきましょう。
つくし社会保険労務士事務所では、顧客の増加に伴い従業員を増やしたことで、情報共有に課題を抱えるようになりました。従業員に対して、企業ごとのルールや蓄積されたノウハウなどの情報をうまく共有できないという課題が生じるようになったのです。
当初はマニュアルを作成していなかったため、顧客情報を共有する際は、従業員に代表の頭の中にある情報を都度口頭で説明し、従業員がその情報を紙にメモしていました。しかし、紙のメモだと情報が正しく伝わっているのか把握しにくく、業務のミスも度々起こっていたそうです。
こうした課題を解決し、お互いが共通認識を持って仕事を進められるように、情報共有ツールの導入を検討。シンプルなうえに求めている機能が備わっており、無料で始められるといった理由から、welogの導入を決めたそうです。welogを導入した結果、クラウド上の「ノート」を共有し合うことでミスが減っただけでなく、従業員がノートに情報を補完してくれるようになるといった主体性も生まれ、情報共有が活性化しました。「お互いが共通認識を持って仕事をする」という目的の実現に向けて、welogの活用を進めていると言いますそうです。また、welog内の情報を社外とも共有できる「外部共有機能」を使い、顧客とも簡単にマニュアルを共有できる点も、便利な点だと感じているそうです。
関連記事:事例紹介『つくし社会保険労務士事務所|「シンプルに情報共有ができて、無料で始められる」ありがたさ』
業務標準化とは、誰でも同じ業務ができるように作業内容を統一し、最適化すること。社員の作業のバラツキを無くし、全体で解釈を統一させる目的があります。組織の情報をわかりやすくマニュアルや業務フローなどに明文化すれば、属人化の防止や業務の効率化などの効果が得られるでしょう。
業務標準化は、現状を把握した上で、標準化する業務の優先順位を決めて行うことが大切です。さらに、定期的に見直し、改善を加えることも忘れないようにしましょう。業務標準化の推進に役立つツールの導入例も参考にしていただき、企業の生産性向上のために、業務の標準化を進めてみてはいかがでしょうか。