こちらのコラムでは、無料で使える情報共有のためのビジネスノートツール「welog(ウィーログ)」の運営スタッフが、ビジネスにおける情報共有やナレッジマネジメントについて発信しています。少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
目次
建設現場などでは欠かせない「作業日報」。エクセルのテンプレートを使って効率化したい方や、書き方を知りたい方もいるでしょう。今回の記事では、主に建設業の方向けに、作業日報の目的と書き方のポイント、無料でダウンロードして利用できるテンプレートをご紹介します。作業日報の作成・共有の効率化に欠かせない、アプリやクラウドツールの紹介も行います。作業日報の作成を、より業務に活用したいとお考えの方は、ぜひご確認ください。
「welog」は、メンバーのノウハウやナレッジを見える化することで
中小企業の属人化問題を解決するドキュメント共有ツールです。
作業日報とは、日々の作業内容を上司に報告するための報告書の一種です。現場の業務に追われる中で、「なぜ毎日同じような報告をしなければならないのか」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。しかし、作業日報の作成には重要な目的があります。作業日報を作成する目的を把握しておくことで、単に「作成・報告して終わり」とするものではなく、「業務に活かすために作成するもの」へ、意識を変えられるでしょう。
まずは、作業日報の役割や、作成する目的を見ていきましょう。
作業日報の作成には、「その日の作業内容を振り返る」という役割があります。業務の計画に対する実績、スムーズにできた点・できなかった点などを自分自身で振り返ることで、明日以降の作業の改善や自己の成長に繋げることができます。また、上司のアドバイスを受けて、業務改善や生産性の向上に繋げることができるでしょう。
作業日報で業務を可視化することで、進捗管理に活用することが可能です。特に建設現場では、工期の遅延が問題になるケースがあります。スケジュールと照らし合わせて、毎日の進捗状況を作業員と管理者が共に把握することで、全体の工期に大幅な遅れが発生するのを未然に防ぐことができるでしょう。
さらに、作業日報で全体の進捗状況を把握できれば、負担が一時期や特定の人だけに偏らないよう、無理のない計画が可能となるため、事故防止や働き方の改善といった効果も期待できます。
作業日報には、現場で必要な情報共有やコミュニケーションを活性化させるという役割もあります。コミュニケーションが円滑になると、伝達ミスが元で起こる労災事故などといったトラブルのリスクを減らすことができるでしょう。
このように重要な役割を持つ作業日報ですが、実際にどのような項目を記載すればよいのでしょうか。作業日報の記載は、基本的な報告書と同様で、作成年月日や作成者、タイトルなどを記載する「概要欄」と、その日の作業内容がわかる「本文」の2ブロックで構成されていることが多いでしょう。
ここでは、作業日報の項目例として、建設業に特化した作業日報の他、一般的な作業日報の項目をご紹介します。
まずは、建設現場で多く使われている作業日報の項目例をご紹介します。
<概要欄>
・工事名
・現場名
・記入者名
・日付
・天気/気温
<本文>
・作業者氏名(複数の作業者がいる場合、それぞれの氏名と以下の項目を対で記入)
・作業時間
・休憩時間
・時間外作業時間の合計
・作業内容
・振り返り
建設業向けの作業日報では、複数の作業員の作業内容をまとめて、1つの作業単位として日報を作成するのが一般的です。効果的な作業日報を作成するためには、各作業人について、以上のような項目を盛り込んで作成するとよいでしょう。
参考として、一般的な作業日報の項目をご紹介します。
<概要欄>
・日付
・社員番号・部署・氏名
・タイトル
<本文>
・その日の業務(作業)予定
・実際の作業や行動の記録(所用時間、内容など)
・計画・実施に対する反省・振り返り
・明日の計画や目標
・上司からのフィードバック など
一般的な作業日報は、個人の作業実績の確認や振り返り用として作成されることが多いでしょう。本文では、予定(プラン)および、実施した内容を事実ベースで記載し、この2点を基に作業内容がどうであったかを振り返ります。うまくできた点や改善点などとその理由、これを基に次の目標を立てる、という流れが基本です。
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インターネット上にある作業日報のテンプレートをダウンロードすれば、自社でテンプレートを作成する手間が省けます。ここでは、ワードやエクセルで使える無料のテンプレートを2点ご紹介します。
建設現場に特化したおすすめの作業日報テンプレートです。
現場ごと、作業員ごとのその日の作業内容を簡潔に記入することができる作業日報です。個人が作成する場合と、チーム単位での作業をまとめて報告する場合両方を想定して作成されています。備考欄には工期に対する進捗状況や、反省点・懸念点などを記しておくとよいでしょう。
一般的な作業日報(業務日報)を、エクセルで作成したい場合におすすめなテンプレートです。
「概要」にその日の作業(業務)予定を記入し、「業務内容」で時系列に作業(業務)内容を記していきます。「反省・特記事項等」で振り返りを記入し、「明日の予定」に目標等を書き込みます。「コメント」は、上司からのフィードバック欄として活用できるでしょう。
項目やテンプレートを押さえたところで、実際の書き方を確認しましょう。作業日報の作成では、覚えておきたい3つの書き方のポイントがあります。それぞれを押さえて、効果的な作業日報を作成しましょう。
書き方のポイント1は、「作業日報は当日中に終わらせる」ということです。基本中の基本ですが、実務に追われる中では、「作業日報のためだけに時間を捻出するのが難しい」ということも少なくないでしょう。しかし、作成が後回しになると作業の記憶は曖昧になり、正確な報告が難しくなります。また、報告が遅れると管理者が進捗の遅れに気が付かなくなるほか、労務管理が行き届かなくなるといったリスクが発生します。
2つ目の書き方のポイントは、必要な情報を簡潔に記すことです。作業日報は作成する方も、確認する方も、なるべく手短に済ませたい業務のひとつでしょう。結論・理由の順に書く、箇条書きを意識して書くなど、書き方を工夫しながら無駄のない作業日報を目指しましょう。
最後のポイントは、上司など読み手を意識しながら書くことです。報告書には、書き手と読み手が必ずいます。読み手が一読してわかりやすい内容になっているか、読み手が知っている前提条件を踏まえて書いているかを確認しましょう。誤字脱字が無いかを確認することも、最低限のマナーです。
日報の書き方については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ご活用ください。
関連記事:業務日報の書き方。記入例やテンプレを押さえて効果的な日報を作成しよう
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無料のテンプレートを使わず、自社独自の作業日報を作成したい方もいるでしょう。ここでは、Windowsでエクセルを使って作業日報のテンプレートを作成する手順を、3ステップでご紹介します。
まず、新規でエクセルを作成します。開いたら、セルを方眼紙に設定しましょう。
【Ctrl+A】で全体を選択し、ホームタブから[書式]>[列の幅]を選択し、セルの幅を「2」に設定します。こうすることで、セルが方眼紙のように正方形に近い形になります。
続いて、サイズを作業日報で使われることの多い、A4表示にします。画面上部のタブから「表示」を選択し、[ページレイアウト]を選択すれば、A4で印刷する際のページが1枚ごとに表示されます。この範囲に沿って作成すれば、A4版のテンプレートを作成可能です。
最後に、必要項目を記載していきます。自社で必要な項目を盛り込めば、使い勝手のよい独自のテンプレートを作成することが可能です。
無料のテンプレートを活用するか、自社で独自に作成するかにかかわらず、エクセルやワードといったソフトで日報を作成する会社は未だ多いのではないでしょうか。しかし、エクセルでの作業日報作成には、以下のようなデメリットもあることをご存知でしょうか。
エクセルは、スマートフォンでの確認や作業について最適化されていないため、現場での作成・確認がしにくい点がデメリットです。社内と社外がネットワークで繋がっていない場合も同様で、一旦帰社しないと作成した作業日報を相手に送れないため、手間が増えてしまいます。
エクセルで作成した作業日報は、迅速な情報共有に適していません。
エクセルのファイルを共有するには、メールやチャットなどで相手にファイルを送信し、相手がファイルをダウンロードして確認することが必要です。ダウンロードする側もPCやタブレットを操作できる環境が必要になり、ファイルをダウンロードするといった手間が毎回かかります。上司の確認が遅れ、適切なタイミングでフィードバックが受けられないということもあるでしょう。
エクセルで作成した作業日報は、データが分散しやすく、ナレッジが蓄積しづらいのもデメリットです。エクセルの場合、ファイルの送受信などで同一のデータが増え、置き場所が統一されずにデータが分散したり、最悪の場合は紛失したりする恐れがあります。また、複数のフォルダを横断して検索することができないため、必要な情報を迅速に探し出すことが難しいでしょう。
このように、データがあちらこちらに散在した結果、欲しい情報を遡って見つけるのが難しくなると、ナレッジとして蓄積・活用しづらく、作業日報が「書いて終わり」になりがちです。
情報が分散した結果、取りまとめや管理に手間がかかり、業務効率の低下を招くというデメリットもあります。必要な情報を必要な時に確認できなければ、最悪の場合工期の遅延や労災の発生などといったリスクを抱えることになりかねません。
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このようなデメリットやリスクを解消するには、スマホやタブレットなどから簡単にアクセスできるアプリをはじめとしたクラウドツールを利用して、作業日報の作成を効率化するのがおすすめです。作業日報を作成できるクラウドツールの多くは、従来のようにハードウェアを購入したり、ソフトウェアをインストールしたりせず、インターネット環境さえあれば利用可能です。そのため、従来の作業日報と比べて、
・作業日報の作成と共有がその場ですぐにできる
・作業日報の内容をすぐに確認し、活用できる
・現場と管理側のコミュニケーションが活性化する
といったメリットが得られるでしょう。
作業日報の作成に、クラウドツールを利用するメリットについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
作業日報の作成を効率化できるクラウドツール(アプリ)はさまざまです。ここでは、ツールの特長ごとに厳選して、4つをご紹介します。
【特長】
・情報を一元管理するため、作業日報の作成・共有・活用がスムーズに行える
・シンプルな操作性で、誰でも直感的にノートを作成できる
・10アカウントまでなら永年無料の「フリープラン」があり、始めやすい
「welog」は、情報共有の円滑化を目的に作られたクラウドツールです。情報共有に特化したツールは、作業日報のほかにも、社内wikiやマニュアル作成など、社内でストックしておきたい情報の作成や共有といった管理に適しています。
welogを使えば、作業日報を簡単に作成し、ボタン1つで上司と共有可能。作成した作業日報は、指定のフォルダに保管され、過去の情報も検索機能で必要なときにすぐに確認することができます。
30日間の無料トライアル付きで操作性を確かめてから契約可能。その後も10アカウントまでなら永年無料(2022年9月現在)の「フリープラン」を利用できるため、誰もが始めやすい日報作成ツールと言えるでしょう。
【概要】
・運営会社:株式会社トライバルメディアハウス
・プラン/料金:【フリー】0円/月(10アカウントまで)
【ビジネス】300円(税抜)/月
※1ユーザーあたり
・無料トライアル:有(30日間)
・URL:https://welog.jp
【特長】
・建設業に特化したクラウドツール
・「作業日報の作成・共有」「必要なリソースの手配」「請求管理業務」までを一元化
・現場に居ながら必要な情報を作成し、共有できる
「日報365」は、建設業に特化したクラウドツールです。作業日報の作成にとどまらず、作業員や車両・資機材の「手配」から⼯数・出⾯などの「集計」までを一元管理することが可能。作業日報の情報を「日報365」で管理することで、管理と現場の情報共有、日々の作業員や車両・資機材の「手配」、作業手当の申請、元請会社へ提出する日報等請求資料の作成・調製、協力会社への支払いや応援依頼などのやりとりまでを効率化。事務所・現場の両方の煩雑な業務負担を大幅に軽減可能です。
パソコンやタブレット、スマホなどからインターネットにアクセスするだけで利用できるので、サーバ構築などの初期導入費用がかかりません。操作性にも優れており、ツール活用に馴染みのない方でも、簡単に入力できるため、現場での活用が期待できるでしょう。
【概要】
・運営会社:株式会社オーク情報システム
・プラン/料金:要問い合わせ
・無料トライアル:要問い合わせ
・URL:https://www.oakis.co.jp/np365/
【特長】
・LINEのビジネス版で、導入時の教育が不要で誰もが使いこなしやすい
・適切な情報周知と文書管理により、安全で迅速な作業を確保
・作業日誌などの資料を「Drive」に保管すれば、紙の管理で生じやすい破損や紛失リスク低減できる
「LINE WORKS」は、業務コミュニケーションの活性化と、業務効率化を実現するビジネス版のメッセージアプリです。個人向けのLINEを踏襲しているため、導入時の教育が不要で、誰もがすぐに使いこなせる操作性の高さが特長です。さまざまな機能を目的に合わせて組み合わせることで、リアルタイムな情報共有や工程管理など、本部と現場の連携を効率化。現場の作業員・協力会社とのコミュニケーションを強化し、安全かつ迅速な作業環境の構築が実現します。
【概要】
・運営会社:ワークスモバイルジャパン株式会社
・プラン/料金:【フリー】0円/月(※100ユーザーまで)、機能制限あり
【スタンダード】450円/月(年間契約の場合)
・無料トライアル:LINE WORKS認定パートナーからの紹介で利用可能
・URL:https://line.worksmobile.com/jp/
【特長】
・中小企業経営に特化したグループウェア型のビジネスアプリ
・社内の情報共有やコミュニケーションを円滑にする機能をワンパッケージで提供
・現場や外出先でも使いやすい、モバイルとクラウドの充実対応
「サイボウズoffice」は、中小企業のビジネスに特化して開発された、日本製のグループウェアです。ファイル管理をはじめとして、ワークフローやスケジュール管理など、チームの働き方を効率化する便利な機能をワンパッケージで提供しています。グループウェアを導入するのが初めてという場合でも、気軽に始められる価格設定も魅力でしょう。
業務に必要なアプリを追加で利用できるプランもあり、「日報アプリ」を追加すれば、誰でも簡単に日報に適したテンプレートを作成可能。過去の日報の情報を検索したり、掲示板を使って日報に書かれている情報を全体へスピーディーに共有したりできるため、情報を社内で効果的に活用できるでしょう。
【概要】
・運営会社:サイボウズ株式会社
・プラン/料金:【スタンダード】5,880円/年(税抜き)(契約は5ユーザーから)
※1ユーザーあたり
・無料トライアル:有(30日間)
・URL:https://office.cybozu.co.jp/
「welog」は、メンバーのノウハウやナレッジを見える化することで
中小企業の属人化問題を解決するドキュメント共有ツールです。
作業日報の役割や目的を踏まえて作成することで、コミュニケーションの活性化や作業ミスの軽減など、業務全体の生産性を底上げすることに繋がります。しかし、多くの企業や現場で採用されているエクセルや手書きの作業日報は、「作成と共有がしづらい」「検索や管理に手間がかかる」などのデメリットを抱えています。このような課題を解消し、日報作成をより業務に活かすには、アプリを始めとしたクラウドツールの活用が不可欠です。今回ご紹介したツールを参考に、作業日報のデジタル化を図ってみてはいかがでしょうか。