こちらのコラムでは、無料で使える情報共有のためのビジネスノートツール「welog(ウィーログ)」の運営スタッフが、ビジネスにおける情報共有やナレッジマネジメントについて発信しています。少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
目次
ビジネスにおいて、実務を通して学んだ知識や技術を指す「ノウハウ」。ノウハウを社内で効果的に蓄積・共有すれば、「業務効率化・生産性向上」や「属人化防止」などが期待できます。今回は、ノウハウの概要や例文、ナレッジやスキルなど類語との違いや関係性、メリットをご紹介します。ノウハウの蓄積・共有に役立つツールについてもご紹介していますので、ご活用ください。
「welog」は、メンバーのノウハウやナレッジを見える化することで
中小企業の属人化問題を解決するドキュメント共有ツールです。
企業でよく使われる「ノウハウ」の意味を正しく理解し、企業の成長につなげたいと考えるビジネスパーソンもいるのではないでしょうか。まずは、ノウハウの概要を見ていきましょう。
「ノウハウ」の語源は、英語の「know-how」です。「知る」という意味を持つ「Know」と、方法という意味を持つ「How」を組み合わせてできた「カタカナ英語」になります。
一般的なノウハウの意味は、「物事を行うための方法や手順に関する知識」を指します。ノウハウは、日々の失敗や成功体験から蓄積された「知恵」をイメージするとよいでしょう。
ビジネスシーンにおける「ノウハウ」は、一般的な意味と同様に使われる場合もあれば、少し違った使われ方をする場合もあります。
ビジネスシーンでは、「実務を通して学んだ技術や知識」を指す言葉で、現場での実務に対して使われることが多いでしょう。作業を繰り返し体験することで得られた技術やコツのことで、「言語化や共有がしにくい知識」とも言えます。
ノウハウは、「知的財産」を意味する場合もあります。国際商業会議所(ICC)のノウハウ保護の基準条項では、以下の通りノウハウを定義しています。
「ノウハウとは、単独で又は結合して、工業目的に役立つある種の技術を完成し、又それを実際に適用するために必要な秘密の技術知識と経験、又はそれらの集積をいう」
ノウハウは、企業にとって有益な知識や情報であり、知的財産という意味合いを持つものです。そのため ノウハウの中には、特許を申請することで法的に守られる技術や知識もあります。ただし、特許の申請をすると、ノウハウなどの営業秘密は一般に公開されてしまいます。ノウハウを特許申請するのか機密情報として秘匿するかは、企業によって異なるでしょう。
以下に、ノウハウを使った例文をご紹介します。
・先輩から商談のノウハウを教えてもらう
・商品開発〇〇に関するノウハウは、部署内の限られた人しか知らない
・先輩の仕事振りを観察して、業務のノウハウを盗んだ
・マーケティングのノウハウを社内で共有した
ノウハウは、個人の知識や経験を教えてもらったり、見ることで学んだりする場合に使うことが多いでしょう。
ビジネスにおいてノウハウは、蓄積していくだけでなく、実際の業務で活用することで効果が生まれます。ノウハウを活用するのは、以下のような場面です。
・ノウハウをもとに、業務マニュアルを作成する
・営業活動で得たノウハウをチームで共有し、全体の売上に貢献する
・商品開発で得たノウハウを、新たな開発に活かす
また、 OJTといった職場での実務を通して行う教育訓練にも活用できるでしょう。
「welog」は、メンバーのノウハウやナレッジを見える化することで
中小企業の属人化問題を解決するドキュメント共有ツールです。
ノウハウには、似たような意味を持つ類語が多くあります。ノウハウを別の言葉で言い換えた際の意味と類語との違いについて解説します。
ノウハウを別の言葉で言い換えると、「技術」や「コツ」です。この場合のノウハウは、「基本的な技術や知識」のことを指すと考えるとよいでしょう。
似た意味の言葉に「スキル」があります。スキルを訳すと「技術」「能力」です。ノウハウは「やり方・方法の成功パターン」を指すのに対して、スキルは「ノウハウや技術をもとに、それを実行する能力」を指します。ノウハウは共有できますが、スキルは個人が蓄積するものでそれ自体は共有出来ないという点で異なります。
ハウツーは、英語の「how to」をカタカナ表記した言葉で、「物事の基本的・基礎的なやり方」のこと。「初心者向け」の専門性が低い知識・情報を指す言葉として使われます。一方、ノウハウは「中級者向け」の専門性が高い知識・情報を指す言葉として使われるのが一般的です。専門性が高い内容であれば「ノウハウ」、専門性が低い内容であれば「ハウツー」と覚えておくとよいでしょう。
ナレッジは「知識」「知見」という意味を持つ「knowledge」からくる和製英語で、蓄積された「情報」や「知識」、社員の持つ「経験」や「成功事例」のこと。企業にとって有益な知識や情報、価値のある経験などを意味する言葉です。また、ビジネスにおけるナレッジは、言語化された知識である「形式知」を意味する場合もあります。一方ノウハウはそのままでは言語化が難しい、個人の体験や経験に基づく「知恵」と捉えることができます。個人の中だけにある知恵がノウハウ、ノウハウを言語化し、形式知に変換したものがナレッジと考えるとよいでしょう。
ノウハウ・ナレッジ・スキルは、それぞれが密接な関係にあります。ノウハウとナレッジの関係性は、以下のような図に表すと理解しやすいでしょう。
体験を通じて得られる「ノウハウ」は、そのままでは共有しにくいため「ナレッジ」として言語化することで、社内で共有できるようになります。企業にとって有益な知識や経験である「ナレッジ」は、「スキル」を用いて実践することで、「ノウハウ」となります。ナレッジを活用してスキルを身につけ、さらなるノウハウにつなげるといった一連のループを繰り返すことが、企業にとって重要となります。
企業がノウハウをナレッジとして社内で蓄積・共有できると、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。
ノウハウを共有できれば、業務の作業方法を各自で確認できるようになり、業務を効率化することができます。「何度も同じ質問をされる」「やり方を一から調べる」などの時間や手間を削減することができるため、生産性向上も期待できるでしょう。
特定の社員のみしか知り得ない情報が存在する、属人化の防止にも役立つでしょう。ノウハウが社内で共有されていれば、「担当者が不在の際に業務が回らない」「転勤時の業務の引き継ぎが困難」といった事態が防げます。誰でも同じ業務が行えるように社内でノウハウを共有することで、業務の標準化や質の均一化にもつながるでしょう。
ノウハウを社内で共有することは、企業の財産として蓄積するということです。日々の業務を通して蓄積されるさまざまなノウハウを社内で積極的に共有することができれば、企業全体の財産となります。本やインターネット上にある情報とは違い、社員のみしか知り得ない貴重な情報となるはずです。
個人の持つノウハウを社内で効果的に蓄積・共有・活用していくことが、企業の成長にとっては大切です。そこでポイントとなるのが、ノウハウの蓄積・共有に便利な情報共有ツールの活用です。ツールを活用すれば、ノウハウを簡単に蓄積・共有することができ、「必要なときに誰でも情報を確認できる」「社内での意思決定をスピードアップできる」などの効果が期待できます。
ノウハウを社内で効果的に蓄積・共有できれば、生産性向上や属人化の防止などが期待できます。そのためには、ノウハウの意味のほか、ナレッジやスキルなど類語との違いや関係性についてもきちんと理解し、正しく社内周知を図ることが大切となるでしょう。
ノウハウの蓄積・共有には、情報共有に特化したツールの活用が効果的です。社内のノウハウが一元管理できる、社内の意思決定が促進されるなどのメリットがあるため、情報共有ツールの活用を検討してみてはいかがでしょうか。