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個人が持つ情報を社内にストックするためには、「社内Wiki」の活用が効果的です。組織で情報共有を促進させるためには、ツール選びも重要となるでしょう。今回は、社内Wikiツールの選定ポイントや無料プランのあるおすすめツール、ツール導入で得られるメリットなどについて解説します。
社内wikiとは、組織が持つ情報(ナレッジ)を共有するためのツールのこと。個人が持つ情報をオンライン上にストックし、情報共有やコミュニケーションを円滑にするためのツールで、社内版「Wikipedia」とも言えるものです。社内Wikiツールを活用すれば、以下のような社内文書を作成できます。
・会議議事録
・業務マニュアル
・業務日報
・業務のQ&A
・社内資料
・社員情報
社内wikiを利用すると、離れた場所同士でも社内の情報共有が円滑になります。在宅ワークをはじめとしたテレワークの推進に繋がるため、仕事と子育ての両立やワークライフバランスの実現も可能です。さらに、社内Wikiツールを活用することによりデジタル化を促進することができるため、業務効率化や属人化の防止といったメリットも生まれるでしょう。
ここからは、社内wikiツールを選定する際に意識したいポイントについてご紹介します。
ポイントの1つ目は、使いやすい操作性を備えているかどうかです。いくら多機能なツールであっても、その機能を社員が使いこなせなければ初期コストや運用コストがかさむばかりで、ツール本来の価値が発揮されません。社員のITリテラシーを考慮しながら、誰でも簡単に操作できるシンプルなツールを選ぶとよいでしょう。
ツール選定時は、情報が検索しやすいかもポイントです。「検索機能の精度」「検索時の表示方法の見やすさ」「フォルダやカテゴリごとの分類・整理のしやすさ」といった情報へのアクセス性ついて確認しておきましょう。
社内で既に使用しているツールがあれば、そのツールとの連携性を考慮するのもポイントです。社内wikiツールの中には、コミュニケーションツールと連携して情報に簡単にアクセスできるツールもあります。業務上関連性のあるツール同士を連携すれば、業務の効率化に繋がるでしょう。
また、「どのデバイスでも使えるツールであるか」も大切となります。スマートフォンやタブレットに対応していないツールの場合、「ページの一部が表示されない」「画面がフリーズする」といった問題が生じるケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
組織にとって重要な資産である情報を、安全かつ適切に管理するために、ツールのセキュリティ面も考慮しましょう。セキュリティの高さを評価するポイントとして、国際セキュリティ資格「ISMS」の保有や、二段階認証システムやシングルサインオンなどといった、ログイン機能の有無などが挙げられます。ツールの導入時には、セキュリティ面で信頼できるツールを選ぶことが重要です。
社内Wikiツールを組織で持続的に運用するためには、利用料金もポイントでしょう。ツールは無料なのか、有料の場合は一人あたりの利用料金がいくらになるのかも、確認しておく必要があります。また、ツールを導入することで得られる効果に見合った料金設定であるのかも、重要なポイントとなるでしょう。
ツールによっては、無料トライアルを設けているツールもあります。導入前にツールを試すことで、「社員にとって使いやすいか」「ツール利用で生じる課題はないか」を把握できるため、本格的な導入の前に解決策を講じることができるでしょう。無料トライアルは、効果検証に十分な期間設定であるかも併せて確認しておく必要があります。社内Wikiツールは、作成~運用、改良までに一定の期間を必要とする場合もあるため、どの程度の期間があれば効果検証が行えるかも、選定時に検討しておくのがおすすめです。
社内Wikiを運用するために、インターネットなどのネットワーク経由でサービスを使う「クラウド」ツールを利用するのか、自社で保有するサーバーなどの情報システムを利用して使う「オンプレミス」のツールを利用するのか、悩む方もいるのではないでしょうか。
クラウドツールは、オンプレミスと比較すると、「サーバーやソフトウェアなどのリソースが不要なので導入コストが安い」「既存のサービスを利用するためすぐ導入できる」「運用・管理の負担を軽減できる」という特徴があります。一方、オンプレミスは自社でシステムを構築するため、カスタマイズしやすく、自社システムと連携しやすいという特徴があるでしょう。
クラウドを利用するのかオンプレミスを利用するのかは、それぞれの特徴を理解して選択するのがポイントです。しかし、社内Wikiを導入しても社内で活用されないというケースもあるため、まずはフリープランや無料トライアルのある、クラウドツールを使ってみるのをおすすめします。
ここからは、無料プランのある、おすすめの社内wikiツールについて見ていきましょう。
【特徴】
・社内wikiなど情報の一元管理ができ、作成・共有・活用が簡単
・シンプルでわかりやすい操作画面である
・フリープランや全機能を無料で試せるトライアルがある
チームのための情報共有ツール「welog」は、社内wikiやノウハウなど社内の情報をまとめたナレッジデータベースとして活用できます。キーワードやグループ、作成者別での絞り込みなど高度な検索機能も備えているため、探している情報を簡単に見つけることが可能です。社内の情報を迅速に共有できるため、業務の意思決定の効率化や人材の即戦力化が期待できるでしょう。
また、シンプルでわかりやすい操作画面なので、初めてツールを使う方でも直感的に操作ができます。30日間全ての機能を試せる無料トライアルを設けており、期間終了後も継続利用できるフリープランの選択も可能なので、検討してみてはいかがでしょうか。
【概要】
・運営会社:株式会社トライバルメディアハウス
・プラン/料金:【フリー】0円/月(10アカウントまで)
【ビジネス】300円(税抜)/月(アカウント数無制限)
※1ユーザーあたり
・フリープラン:有
・無料トライアル:有(30日間)
・URL:https://welog.jp/
【特徴】
・エンジニアリングから人事、デザインまでどんなチームでも活用できる
・ページ内に500以上のアプリを埋め込むことが可能
「タスクも、メモも、ナレッジも、すべてをひとつにする All-in-one workspace」をキャッチコピーとする「Notion」は、エンジニアリング・人事・デザイン・マーケティングなど、さまざまなチームに活用できる社内wikiツールです。全ての情報が一箇所に集約されているため、簡単に情報を検索することができます。Notionページ内は、500以上のアプリを埋め込むことも可能。誰もがチームの情報を可視化することができるでしょう。
【概要】
・運営会社:Notion Labs, Inc
・プラン/料金:【パーソナル】0円/月(個人向け/ゲストとの共有5人まで)
【チーム】$8/月(年払い)
※1ユーザーあたり
・フリープラン:有(個人向け)
・無料トライアル:有
【特徴】
・クラウド型と自社サーバー(オンプレミス)型の両方に対応し、小規模の企業から大企業まで広くカバーしている
・最適なテンプレートが用意されている
「Confluence」は、組織内の知識を集約し、共同作業を行うためのチームのワークスペース。マーケティングやエンジニアリングなどカバーする業務範囲が広く、議事録作成からレポートまで75を超えるテンプレートからカスタマイズすることができます。全てのチームが簡単に作業構築から整理、コラボレーションまでを行え、クラウド型とオンプレミス型の両方に対応しているのも特徴です。
【概要】
・運営会社:アトラシアン株式会社
・プラン/料金:【フリー】0円/月(10ユーザーまで)
【Standard】660円/月(20,000 ユーザーまで)
※1ユーザーあたり
・フリープラン:有
・無料トライアル:有(7日間)
【特徴】
・ページ間をリンクで繋ぐ機能がある
・1アクションで画像・動画・地図を添付できる
「Scrapbox」は、チームに必要な情報を、何千何万という単位で管理できるツールです。情報量が増えると管理が難しくなりがちとなるフォルダやラベルによる階層分類管理ではなく、単語を[カッコ]で囲むだけでリンク化し、ネットワークを構築できる機能を備えています。ドラック&ドロップやコピー&ペーストで、画像や動画、地図を簡単に添付できるのも特徴です。
【概要】
・運営会社:Nota株式会社
・プラン/料金:【PERSONAL / EDUCATION】0円/月(個人・非営利での利用の場合)
【BUSINESS】1,000円/月
※1ユーザーあたり
・フリープラン:有(個人・非営利での利用の場合)
・無料トライアル:有(100ページまで)
【特徴】
・業界や職種を問わず、中小企業から大企業まで簡単に情報を共有できる
・チームの成長に伴走してくれるチャットサポートがある
業界や職種を問わず、誰でも簡単に情報を共有できる社内Wiki「Kibela」。Markdown形式やリッチテキストエディタ形式に対応し、「いいね」を押してレスポンスやコメントができる機能も備えています。リアルタイムで質問できる、チャットサポートがあるのも特徴です。
【概要】
・運営会社:株式会社ビットジャーニー
・プラン/料金:【コミュニティー】0円/月(5ユーザー・4グループまで)
【スタンダード】550円/月(6ユーザーから使用/中小企業向け)
※1ユーザーあたり
・フリープラン:有
・無料トライアル:有(14日間)
・URL:https://kibe.la/
【特徴】
・無料で使えるオープンソースの情報共有サービスである
・Markdownを使って簡単に編集することが可能
「Knowledge」は、ソフトウェアの設計図にあたるプログラム(ソースコード)が無償で利用できる、オープンソースのサービスです。モバイルやMarkdown形式にも対応しており、情報共有を活性化することができます。
オープンソースのソフトウェアを利用すれば、「社内の課題に応じて柔軟にカスタマイズできる」「ソースコードを無償で利用できる」といったメリットがあります。一方、自社でサーバーを構築する必要があるため、「サポートやセキュリティ面など運用・管理の手間やコストがかかる」といったデメリットがある点も、理解しておきましょう。
【概要】
・運営会社:情報なし
・プラン/料金:無料
社内Wikiを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
社内に分散していた情報(ナレッジ)を、一箇所に蓄積・管理できます。社内Wikiツールを導入することで、知りたい情報へ簡単にアクセスでき、情報検索にかかる手間や時間を削減することが可能でとなるでしょう。
社内Wikiツールを活用すれば、必要な情報にアクセスしやすくなり、業務を円滑に進められます。組織全体で情報を活用しやすくなるため、迅速な意思決定も可能となるでしょう。
業務のノウハウや成功事例などの情報を共有することで、社員のスキルアップが期待できるため、組織の生産性向上にも繋がります。
社員の異動などに伴う業務の引き継ぎや、新入社員への研修といった「教育コスト」を削減できることもメリットです。社内Wikiに「研修内容」や「引き継ぎ内容」、「マニュアル」などを蓄積しておけば、引き継ぎ業務の時間と手間の短縮や、教育担当者の負担軽減が望めます。また、社員の迅速な即戦力化も期待できるでしょう。
属人化とは、「ある業務を特定の社員のみができる」という状態のこと。社内Wikiを活用することで、個人に蓄積されていた情報やノウハウを組織内で共有することが可能となり、属人化防止に繋がります。誰でも同じ品質で業務を行うことができるようになるため、顧客満足度の向上も期待できるでしょう。
関連記事:『属人化を解消し、業務の生産性や効率アップをはかる方法とは』
社内Wikiを効果的に組織で活用するためには、どのようなポイントがあるのでしょうか。
社内wiki推進チームを配置して運用・管理を一貫して行うことが、社内Wikiを促進するためのポイントです。社内Wikiツールを導入しても、組織でほとんど活用されないケースもあるため、社内wikiの重要性や活用方法などを組織内で共有する仕組みづくりが大切です。運用中の不具合やトラブルといった課題が生じた場合は、現場でのヒアリングを丁寧に行いながら、社内Wikiチームで定期的に改善・解決するようにしましょう。
社内で統一したルールを設けたり、情報を蓄積するためのフォーマットを整備したりすることも大切です。例えば、「誰にどの程度情報を共有すべきなのか」「ツールへの投稿時間やタイミングはいつなのか」といったルールを最初に設定しておきましょう。また、書式や構成などのフォーマットをあらかじめ決めておくこともポイントです。その際は、運用ルールを細かくしすぎないように注意しましょう。社員が社内Wikiを活用しやすいように、大枠でルールを設定するのがおすすめです。
業務が忙しいことで社内Wikiの投稿が促進されない場合も考えられますが、運用ルールやフォーマットが整備されていれば、隙間時間を使って迷わずに投稿できるでしょう。
社内Wikiは、ある程度情報を蓄積してから本運用を開始するのがおすすめです。社員自身が「社内wikiを活用すれば探している情報が見つかる」「社内Wikiを投稿したら組織内で確認・周知される」と感じることができないと、社内Wikiが活用されないためです。
まずは、社内wikiチームが自身の持つ情報を社内wikiに投稿したり、マニュアルや社員情報といった全社的に使用する情報を社内wikiに集約したりするとよいでしょう。
組織の情報をストックするためには、社内Wikiツールの導入がおすすめです。ツールは、操作性や無料プランの有無、クラウドなのかオンプレミスなのかといったポイントを意識して選択するとよいでしょう。社内Wikiを導入すれば、業務効率化や属人化の防止といったメリットが生まれます。推進チームをつくりルールの整備などを行うことで、情報共有が活性化するでしょう。
無料プランのあるおすすめのツールも参考にしていただき、社内Wikiツールを活用してみてはいかがでしょうか。
社内Wikiツールのwelogに興味のある方は、こちらからより詳しい情報をご覧いただけます。