こちらのコラムでは、無料で使える情報共有のためのビジネスノートツール「welog(ウィーログ)」の運営スタッフが、ビジネスにおける情報共有やナレッジマネジメントについて発信しています。少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
目次
業務効率化や品質管理において必須とも言える「マニュアル」。苦労してマニュアルを整備しても、いざ運用してみると読み手が内容を把握できておらず、同じような質問を何度も受けてしまう、といった悩みを持つ方もいるでしょう。
今回の記事では、活用されるマニュアルづくりを目指して、作成のコツや作成後の運用に焦点を当ててご紹介します。マニュアル作成にお悩みの方は、ぜひご一読ください。
「welog」は、メンバーのノウハウやナレッジを見える化することで
中小企業の属人化問題を解決するドキュメント共有ツールです。
業務の流れや作業方法をまとめたマニュアル。新人へのガイダンスや業務の引き継ぎ、事業拡大とさまざまな面で効果を発揮しますが、その作成や運用に悩む方は多いのではないでしょうか。読者の中には、必要に迫られて限られた時間の中でマニュアルを作成しなければならない方もいるかもしれません。
短時間で効果的なマニュアルを作成するには、どのような点に気をつければよいのでしょう。まずは、マニュアルの目的や思うように活用されない原因と、基本的な作成手順について確認しましょう。
なぜ、マニュアルを作成する必要があるのでしょうか。マニュアルを作成する目的や役割を見直してみましょう。
マニュアルを作成すると、社員が自分で判断して業務を進めることができます。対応に迷うことや周囲に相談することが減り、一人ひとりの自立を促進できるでしょう。指導する立場の社員にとっても、質問を受けるたびに手を止めることがなくなり、本来の業務に集中することができます。
社員が行う業務の品質を均一化できることも、マニュアル作成の目的です。マニュアルがないと、作業や成果物の品質は社員のスキルや経験によって差が出てしまうでしょう。マニュアルに沿って業務を進めることで、誰が作業しても同じ品質で業務を進めることが可能です。また、ミスの防止にもつながるため、危機管理においてもマニュアルの役割は大きいと言えます。
特定の人だけが知っている業務やノウハウをマニュアルとして整理することで、業務の属人化防止につながります。社員同士のナレッジの共有を助けるマニュアルが定着すれば、会社全体の組織力を強化できるでしょう。
マニュアルがあっても、形骸化してしまってなかなか活用に至らないという方もいるでしょう。マニュアルが活用されない背景には、次のような原因が考えられます。
1. 内容がわかりにくい
2. 保管場所がわかりにくい
3. 情報が更新されていない
マニュアルが活用されない理由として、内容に原因があるほか、資料の保管場所が統一されておらず、必要な場面でマニュアルが見つけにくいといった原因が考えられます。また、内容がアップデートされておらず、古い情報のままになっているマニュアルも活用されません。
このように、マニュアルは作成後の運用まで見通して作成することが大切です。
マニュアルを作成するときの手順についてご紹介します。
まず、いつまでにマニュアルを作成するのかを決めましょう。マニュアルの完成時期が決まることで、「作成にかけられる期間」や「作成できる人材」などのリソースを確保しやすく、マニュアル作成を計画的に進めることができるでしょう。
マニュアルを作成する際は、「誰がどのような場面で使うマニュアルなのか」をはっきりさせましょう。利用者や目的が漠然としていると、あれもこれもと情報を詰め込んでしまい、要点が埋もれてしまいます。
マニュアルを作成するときは、内容を時系列に沿って整理して記載することを意識しましょう。業務の担当者が決まっている場合は、マニュアルに記載する内容を担当者別に整理することも方法の一つです。
記載する内容の大枠を決め、流れをチェックし、マニュアルの骨格を決定します。この段階で、マニュアル内で「業務のどこからどこまでを説明するか」を決め、仮の見出しを立てましょう。
構成で考えた、各見出しの内容を記載しましょう。本文の作成では、それぞれの見出しの中で書くべき内容を意識することが大切です。
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社員に活用される、わかりやすいマニュアルを作成するためのコツについてご紹介します。
わかりやすい文章を作成するコツとして、5W1Hを意識することが挙げられます。「いつ・誰が・どこで・何を・なぜ・どのように」の問いを解決しながら内容を記載することで、具体的なマニュアルが作成でき、誰が読んでも伝わりやすくなります。
見やすいマニュアルを作成するコツとして、文字の大きさなど、デザインを統一することが大切です。色分けなど、見た目にルールが存在することで、内容が頭に入ってきやすくなるでしょう。
マニュアル作成では、テンプレートを活用すると形式を整える手間を省けます。効率的にマニュアルを作成できるほか、項目に沿って情報を落とし込むだけで、マニュアルを完成させることができ、情報の抜け漏れや見落としを防げるでしょう。
マニュアル作成では、文章と合わせて写真や動画などを取り入れることもポイントです。フローチャートなど図を使った記載方法も、読み手の理解を助けるでしょう。
画像や動画を使ってマニュアルを作成する場合は、それぞれの表現の長所・短所を意識して使うことが重要です。近年は、マニュアルに動画を活用する例も多く見られますが、業務中に判断を迷い、特定の箇所のみ確認したいといった場合では、瞬時に判断できる画像の方が効率的です。マニュアルの目的に合わせて、画像や動画を使い分けると業務に活用しやすいでしょう。
マニュアル作成では、読み手が業務や作業の全体像を理解できる工夫が必要です。「その作業が業務全体のどの部分を担っているのか」がわかると、作業内容や目的の理解も促進されるでしょう。
複数ある業務の関係性や階層構造の説明には、フローチャートなどの図を活用しましょう。
マニュアル作成では、何かあったときの判断基準を明確にすることもポイントです。考えられるさまざまな事態を想定し、「このような場合はこうする」という判断の軸を示しておくと、社員の迷いが減り、自立して業務を遂行することができるでしょう。
業務中、トラブルが起きたときの対応方法についても、マニュアルに記載することが大切です。トラブルのほかに、業務に対するクレームなどイレギュラーな事態が起きたときも、マニュアルに対応例が示してあると、迅速に解決することができるでしょう。
関連記事:わかりやすいマニュアルの作り方。業務や引き継ぎをスムーズにする作成のコツなど
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マニュアルを業務に活かすためには、作成後の運用の仕方が重要です。ここでは、マニュアルを運用するときのコツをご紹介します。
マニュアルは、内容を定期的に見直し、修正を加える必要があります。実際にマニュアルを運用する中で、改善点が見えてくることもあるでしょう。マニュアルを利用する社員の声も反映させながら、より使いやすいマニュアルへと更新していくことが大切です。
そのためには、マニュアルの見直しのタイミングや担当者など、マニュアル運用時の基本的なルールを事前に定めておきましょう。
マニュアルの運用にかかる工数は、使うツールによって大きく変わってきます。更新のしやすさ、作業時のアクセスのしやすさなどをポイントに選びましょう。
「Word」「Excel」「PowerPoint」などのツールを使って、マニュアルを作成している方も多いでしょう。これらは広く使われているツールで、Web上にテンプレートも豊富にあります。
しかし、これらのツールには情報の更新や改定したマニュアルの共有に余計な工数が発生するというデメリットもあります。例えば、「Word」や「Excel」でマニュアルを作成すると、情報を更新するたびにファイルを保存し直し、利用者にマニュアルの更新を知らせるためのメールを送る、といった手間がかかります。
クラウドツールは、マニュアルなどの資料をオンライン上で一元管理することができます。多くの場合は検索機能があるため、必要なマニュアルをすぐに見つけることができるでしょう。
クラウドツールは、改定や共有のしやすさという点でもマニュアル作成に適しています。クラウドツールを使えば、Wordのように改定ごとに異なるファイルを作成せず、元のファイルに上書きが可能です。頻繁に見直しが発生する業務でも、マニュアルの改定が簡単に行えるでしょう。
また、クラウドツールはアカウントを取得するだけで使うことができ、「Word」のようにソフトウェアをインストールする必要もありません。出先からスマホを使ってマニュアルを確認することもでき、マニュアルを活用する幅が広がるでしょう。
なお、マニュアル作成ツールを使って簡単にマニュアルを作りたい方には、こちらの記事が参考になります。
参考:【無料ツールあり】マニュアル作成ツールとは?おすすめ5選を厳選して紹介
ここでは、マニュアル作成のコツについて学ぶことができる本をご紹介します。
「そもそもマニュアルは何のために存在するのか」という、マニュアル作成の根本的な部分について丁寧に解説されており、マニュアルを初めて作成する方などの意識づけにも役立てることができます。マニュアル作成の手順についても具体的に説明しており、ビギナーや自己流のやり方を見直したい方におすすめの1冊です。
人がミスをしてしまう現象、「ヒューマンエラー」について研究する著者が、わかりやすいマニュアルづくりを解説しています。文章の書き方のコツなど、誰でも取り入れられる技や具体的なマニュアル作成のノウハウが紹介されており、実際のマニュアル作成に役立つでしょう。最後の章には、解説が付いた「マニュアル作成の練習問題」も載っており、実践的な1冊と言えます。
マニュアルの作成では、読み手の理解を促進するためにさまざまなポイントがあります。マニュアル作成後の運用方法まで見通し、「welog」などクラウドツールの導入も検討しておくとよいでしょう。
今回ご紹介したマニュアル作成のコツを意識し、周囲の声も聞きながら効果的なマニュアルを作成してみてはいかがでしょうか。